「スシロー」が回転ずし業界で独走し続けるワケ

足元ではくら寿司やかっぱ寿司を引き離す

スシローグローバルホールディングスの水留浩一社長は「(業績のよい)このタイミングで守りに入らず攻める」と語った(記者撮影)

好調が続くスシローだが、下期以降も手を緩めることはない。5月14日からは今年6月の創業35周年を記念し、「スシロー3連発創業祭」と銘打ったキャンペーンを立て続けに実施。第1弾では「ほぼ倍ネタまつり」として、人気の中トロを通常の倍近いネタにして100円(税別)で提供している。

また新サービスとして「Google アシスタント」を活用した新サービスも始める。スシローでは土日の夕方に店を訪れると2時間待ちというのも決して珍しくない。これまでは同社の公式アプリなどで事前に予約をすることができたが、今回の新サービスによって運転中など手が離せない状況でも、Google アシスタントが導入されたスマートフォンに向かって話しかけるだけで簡単に予約することが可能になった。

重要となるのは「店の鮮度」

販促キャンペーンに利便性向上策と畳みかけるスシローだが、上期の好業績を受けても通期の業績見通しである売上収益1925億円(前期比10.1%)、営業利益125億円(同7.2%増)は変えていない。水留社長は「(期末まで)まだ5カ月程度ある。楽観はしていない」と話す一方で、「特段、上期の勢いが減速するという見通しはしていない」(同)と述べる。

実際、下期の初月にあたる4月の既存店売上高は前年同月比8.4%増という高い水準でスタートを切った。このペースが続けば、会社側の業績見通しは楽々と達成するだろう。

むしろ、今後の焦点は来年度にあたる2020年9月期(2019年10月~2020年9月)の動向だ。今2019年9月期については前半にテレビ露出の効果が大きかったことに加え、通年では昨年9月実施の皿単価の変更が1年間貢献した。ただ、来期もテレビ露出が続くかは不透明であることに加え、皿単価の改定効果も今期末で一巡することから、足元のような高い成長率を来期も維持するのは容易ではない。

スシローGHDは、中期経営計画の中で2021年9月期までの3カ年で、国内の回転ずし店を年30店強出店する方針を掲げる。商品のみならず接客といったサービスの質を落とさずに拡大を続けるうえでは、当然人材確保や育成も欠かせない。

水留社長は「すしネタの鮮度は当然大事だが、既存店を伸ばすには『店の鮮度』が重要だ。来店する度に新しい体験、うれしくなるような体験を提供できるか。その繰り返ししか、既存店を伸ばす道はない」と強調する。自ら引き上げたハードルを来年度も超えることはできるのか。“目新しさ”を感じるキャンペーンを継続できるかが、今後の行く末を左右しそうだ。

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