スシローが「回らないすし店」に乗り出すワケ 業界トップも"ついに"フードコートに初出店
回転ずしチェーンで最大手のあきんどスシローが、回らない新業態で勝負に出る。
同社は3月20日、初のフードコート業態「スシローコノミ」を横浜市の商業施設に出店する。店内にはスシローでおなじみの回転レーンは見当たらない。紙に食べたいネタを記入して店員に渡し、会計をした後に商品が出てくる仕組みだ。
郊外の出店競争は厳しくなるばかり
スシローコノミを出店するのは、20日に横浜駅に隣接する商業施設「ジョイナス」にオープンするフードコート「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」。スシローコノミ以外にも、カフェやイタリアン、ラーメンなど幅広い業態の飲食店が軒を連ね、130席の共有イートインスペースを設けている。
新業態となるスシローコノミでは、最初に6貫、8貫、10貫、12貫の4種類から注文貫数を選択。そしてその数に合うようにスシネタを選ぶ。すしは1貫60円、100円、200円(いずれも税抜き)と、それぞれの金額のカテゴリーから好きなネタを選ぶ。
それ以外にも、みそ汁といったサイドメニューや、スシローのほかの店舗で注文できるラーメンやうどんなどの麺商品も提供する。生ビールなどのアルコールやソフトドリンクも、用紙に記入して注文することが可能だ。
スシローがフードコート内に出店するのは今回が初めて。郊外のロードサイドを中心に出店攻勢を続けてきたスシローの店舗数は現在約490店。昨年9月には島根県に出店し、47都道府県への出店を達成するなど順調に見える。そんなスシローがなぜ今、フードコートという新たな領域に進出するのか。
「郊外は競合他社も積極的に出店している。競争は厳しい状況だ」。スシローの福田哲也・取締役執行役員はこう危機感をあらわにする。スシローは年間30~40出店を計画する一方で、競合のくらコーポレーションも年間20出店を継続。そのほかの回転ずしチェーンも出店を加速するなど、郊外立地の"陣取り合戦"は年々激しさを増している。
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