予想が外れた理由の一つとして示されたのは、2019年3月に開通した新東名高速の厚木南IC―伊勢原ジャンクションが東名厚木付近の迂回路となって交通量が分散され、以前ほど混まないのではないかという事前の予測である。
しかし実際には新ルートがまだ十分周知されていなかったり、カーナビに反映されておらず新ルートを通るような指示が出ないことから、従来どおり東名を走行した車が多くて、その予測が外れたのでないかなどの分析がなされていた。
渋滞予測は不確定要素が多く読みづらい
その一方、5月4日、5日の上りの渋滞に関しては、関越道は予想どおりあるいは一時は予想以上に車列が伸びたこともあったが、それ以外の高速道路は予想ほど渋滞が発生しておらず、これまた渋滞の予測は当たったとはいいがたい状況であった。
5日の上りに関しては、東名、中央道、東北道の最長渋滞の予測がそれぞれ30km、30km、40kmだったのが実際には19km、19km、17kmと予測の4~6割程度だったことを見ても、史上初めての10連休の渋滞予想はかなり難しかったことがうかがえる。
渋滞の予測はこれまでのデータの蓄積から曜日の並びなどを考慮してはじき出される。天気、渋滞を招くような不測の事故、そして今回のような「ムード」などそのときになってみないとわからない要素も多く、今回の10連休では、前半と後半の2つのピークを見込んでいたところ、出足は少し遅くなり、谷間だと思われていた5月1日、2日が令和の奉祝ムードや各地の観光施設などで新元号を迎えるさまざまなイベントや記念グッズの配布などが行われ、それがメディアやSNSなどで発信されたことで、1日、2日に関東では天候が悪かったにもかかわらず、大勢の高速道路利用者を生み出したのではないかと考えられる。
もちろん、事前の渋滞情報で比較的空いていて「ねらい目」と考えられていたため、逆にその時期を狙って利用者が増えたという面もあろう。
高速道路に限らず、他の交通機関や観光施設の人出も予想とは異なることも散見され、例えば東京ディズニーリゾートでは、連休初日の4月27日(土)はかなり空いていたことが報告されているし、観光客で混雑する江ノ島電鉄では鎌倉駅からの乗車で市民が優先される社会実験が5月3~5日に行われたが、いちばん混雑しそうな4日はほとんど改札制限をせずに入場できたことに見られるように、10日間の長い休みの人々の行動状況はなかなか読みづらいものがあったようだ。
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