「ビアードパパ」意外と知られていないその全容

創業20周年、海外へは14カ国約190店舗進出

定番商品は、パイシュー、クッキーシューなど2種類の生地に、店内で仕上げるカスタードクリームを詰めたものだ。また、2〜3カ月ごとに入れ替わる「季節のクリーム」を組み合わせることもできる。さらに、月ごとに入れ替わる期間限定商品が加わって、常時4〜5種類が店頭に並ぶ。店舗のスペースやオペレーションの関係上、一時期に販売する種類としてはこれぐらいが限度だという。

月替わりの商品は来店動機を高める重要なアイテムだ。写真は5月末まで販売中の熟成抹茶230円(写真:麦の穂)

ユニークなのが、この、月ごとの限定商品の顔ぶれだ。これまでの販売例を見ると、例えば1月の「贅沢いちご」、5月の「濃い抹茶」などは味も想像でき、普通だが、8月に「わらびもちシュー」、9月に「チョコチップメロンパンシュー」など、冒険的というか、挑戦的な商品が目につく。

この傾向は社内でも十分に意識してのことのようで、杉内氏によると、「目新しすぎても売れない。ある程度味を知っていて、興味をひくということが重要なんです。“ちょうどいい”と社内では表現しているんですが」(杉内氏)とのこと。

最近、ちょうどよかった商品は今年2月に発売した「焼きチョコシュー」。チョコレートをかけて二度焼きした生地に、チョコレートクリームを詰めたもので、味が想像でき、なおかつ食べてみたいという欲求を起こさせる。一方、わらびもちシュー、メロンパンシューは初年度に出したときは「はずした」(杉内氏)そうだ。

同社では、味に関する評価・意見のほか「また来店したいと思うか」などを購入客に問うアンケートを行っており、結果を非常に重視して商品開発を行っている。わらびもちシューやメロンパンシューは、味の評価は高かったものの再来店動機の点が低かったのだそうだ。とはいえ、評価が分かれた商品を外してしまうのではなく、よりブラッシュアップして再販売するところに、同社の職人魂のようなものを感じる。

「毎月違う商品があるということで、お客様に楽しい買い物体験をもっていただくのが狙いです。リピートにもつながり、楽しみにしていらっしゃるお客様も。先日も『昨年5月に出たかりんとうシューは今年も発売されますか』というお問い合わせがありました」(杉内氏)

なお、月替わりの商品については230円と、価格が若干高めに設定されている。

客層の弱みをコラボ企画で打破

20年の実績があり、幅広い年代層の支持がある同チェーンだが、メインとなっている客層は30〜40代。つまり、20年前に子どもだったり、小さな子どもを持つ親だった人たちで、その後、家族で食べ続けていることになる。

一方で弱みと言えるのが10代後半から20代前半の若年層だそうだ。彼らが子どもだった15〜16年前には店舗数が約240店舗ともっとも多い時期で、当たり前のように存在していることが逆に、認知度を低くする原因となっていると杉内氏は分析する。コラボ戦略は、そのあたりの層を耕す意味でも有効だと見ている。

コラボの第1号は2018年7月に発売した、サンリオの「ぐでたま」。これがきっかけで、コラボにも意欲的との印象が広まり、さまざまな企業から声がかかるようになったという。

同時期に行った知育玩具LaQとのコラボも、反響が高かったそうだ。LaQのおまけが購入動機につながっただけでなく、商品に工夫し、クッキーシューの皮をゴツゴツとした凹凸のある卵形につくって恐竜の卵に見立てたり、店舗内装やポスターなどの販促物もガラリと印象を変えたことで、強くアピールしたという。

「LaQは集めている子どもさんが多いんですね。シュークリームとのセットで買えば書店などで購入するよりおもちゃが安く手に入れられる、ということでお母さん方の間で情報が広まったのも大きかったです(笑)」(杉内氏)

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