数字が如実に語るゾゾとメルカリ「本当の実力」 ネットビジネスで重要な数字は何か

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さて、以上がメルカリとZOZOを@分析してみた結果です。どちらも強固な顧客基盤に支えられていることがおわかりいただけたとともに、最先端の企業といえど、結局は「顧客数」×「購買額」というシンプルな方程式で事業が成り立っていることをおわかりいただけたのではないでしょうか。

ただ、メルカリに比べZOZOは会員数が少なく、さらに、別の心配要素もあります。

ZOZOの敵は「サステナビリティ」か

例えばZOZOを支えているのは、ファッション感度の高い服好きユーザーでしょう。ただ、社会全体の意識はサステナビリティに向かっています。新品の服を毎年何枚も買って捨てる消費パターンは、これからも続くか疑問です。最先端ファッションを追いつつも、何度か着たらメルカリに出品する。そこまでファッション感度が高くない層は、そうして出品された中古の服でおしゃれを楽しむ。このエコシステムが確実に回り始めています。

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シーズンごとに市場に大量投入され、売れ残った服はバーゲンでたたき売られる旧来のビジネスモデルは、機能しなくなってきました。使い捨て商品の代表だったファッション業界は岐路に立たされています。

こうした時代の流れにZOZOは抗えるでしょうか? メルカリと同じく、成長を続けるには、会員数を増やすか、会員1人当たりの年間購買額を増やすか、2つの選択肢しかありません。ただ、ZOZOがターゲットとするファッション高感度層がいずれ頭打ちを迎えるかもしれないと仮定すると、増やせるのは年間購買点数か1点当たりの単価です。

ここ最近、ユーザーの体型に合わせてカスタマイズできるセミオーダーのオリジナル商品を打ち出すなど、ZOZOが手を変え、品を変えユニークなプロモーション展開をしているのは、こうした理由があるから……このように分析することも可能なのです。

あるいは、ファッションではなく、新しいカテゴリーや市場に向かう手もあります。「無印良品」のように、食品や雑貨などライフスタイル全般で商品を取り扱うことができるか? あるいは、アジアを含めた海外にZOZOブランドを広げられるか? 経営陣は日夜数字を見ながら次なる一手を考えていることでしょう。

斎藤 広達 経営コンサルタント

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さいとう こうたつ / Kotatsu Saito

シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得。ボストン コンサルティング グループ、ローランドベルガー、シティバンク、メディア系ベンチャー企業経営者などを経て、経営コンサルタントとして独立。数々の企業買収や事業再生に関わり、社長として陣頭指揮を執り企業を再建。その後、上場企業の執行役員に就任し、EC促進やAI導入でデジタル化を推進した。現在は、AI開発、デジタルマーケティング、モバイル活用など、デジタルトランスフォーメーションに関わるコンサルティングに従事している。

主な著作に、『「計算力」を鍛える』『サンクコスト時間術』(ともにPHP研究所)、『入社10年分の思考スキルが3時間で学べる』『仕事に役立つ統計学の教え』『ビジネスプロフェッショナルの教科書』(すべて経BP社)など。

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