狙うは世界。グノシー支えたデザイナー集団 デザインを制す者が、ウェブを制す
「弊社に依頼してくるお客さまの中には、『UIのデザインだけお願いします』という方もいらっしゃいますが、そうした場合はほとんどお断りしています。UIはあくまで、サービスの本質を補完し、最大限高めるもの。よいサービスを提供することが大前提です」。
機能性だけでもなく、デザインだけでもない、両者の両立を目指すことが重要という。
「Gunosyがなかったら、うちは潰れていた」
今でこそ引く手あまたとなった同社だが、立ち上げ当初は決して順風満帆ではなかった。人手が足りず、資金も底をつきかけた中、突如、転機が訪れる。同社がデザインを手掛けたキュレーションメディアGunosyのヒットだ。
「Gunosyがなかったら、うちは潰れていた」
3年前にシリコンバレーで、たまたま出会ったGunosy創業者のひとりが、サービス開発直後のUIを見せてくれた。「機能はすばらしいが、このUIはよくない」。そう感じた土屋CEOは、UI開発を無償で引き受ける。その後、Gunosyがロングヒットを続けたことで、現在では、問い合わせが毎日届く。9割は断らざるをえないという、うれしい悲鳴が聞こえる。
採用時に聞くのは、「Gunosy使っていますか?」
同社の強みは、そのカルチャーだという。何よりも大切にしているのは、透明性。徹底的に透明性の高い会社を目指し、売り上げも人件費も全員にシェアする。ウェブの最新技術や、面白いサービスがあれば、フェイスブックページ上でシェアする文化も生まれた。
こうした社風は、土屋CEOのシリコンバレー時代の経験が大きいという。グーグルのコードレビューから発想を得て、社内プロジェクトもすべて共有し、全員でデザインレビューをしている。