狙うは世界。グノシー支えたデザイナー集団 デザインを制す者が、ウェブを制す
だからこそ、採用にあたっては、会社のカルチャーに共感できるかどうかを最も重視しているという。ウェブが好きかどうか、つねに新しいものを取り入れようとしているかどうかを、面接では見ているそうだ。
新しいものへの感度をみるために、面接時によく聞いていたという質問は、「Gunosy使っていますか?」。今でこそ100万ダウンロードを超えたサービスだが、1年前にはまだユーザー数は数万人程度。このときに、同サービスのユーザーになっている人はそうとう情報感度が高いと判断したという。
「Gunosyを知らない人には、その場で帰ってもらっていました(笑)」
仕事の依頼は急増するも、社員の数は無理に増やそうとはしない。いい人がいれば来てほしいが、会社の文化に合わない人を入れても、結局はいい仕事ができないと考えているからだ。
UIの共同開発から、自社サービスへ
成長を続けるグッドパッチは、昨年12月、デジタルガレージ社から1億円を調達した。この資金調達もあり、新規事業として自社サービスの開発を行っている。今春にリリース予定のサービス名称は「Prott」。Prottは、誰でも簡単にプロトタイプが作れるサービスだ。プログラミングの知識がなくても、画面を動かしユーザーテストを実施できるようになるという。
今までのアプリ制作では、アプリを動かすには当然のことながらエンジニアが必要だった。絵はデザイナーが描けても、動かすにはエンジニアがいないとプロトタイプが作れない。ここに、大きな損失が生まれているという。ユーザーテストをするタイミングが、プロトタイプができた後しかできないので、最悪の場合、テストできない場合もある。テストをしないと、非常に使いづらいアプリになりやすい。
「アプリの品質を上げるには、ワイヤーフレームの段階で、何度もユーザーテストをやるべきです。そのためには、エンジニアでなくても、デザイナーでもディレクターでも、プロトタイプを作ることができるようにする必要がある」
Prottで、UIデザインの価値をさらに高めるのが狙いだ。