狙うは世界。グノシー支えたデザイナー集団 デザインを制す者が、ウェブを制す

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世界に通用するデザイン会社を作りたい

UIデザイナーの数は、世界的に見てもまだ非常に少ないのが現状だ。とりわけ、日本のデザイナーの数は極めて少ない。デザインの投稿サイトDribbleでは、優秀なデザイナーが招待制で登録されている。ここのデザイナー登録数を見ると、サンフランシスコで2300人、ロンドンでも1700人ほど登録されているが、日本は全体でも170人程度しかいない。

こうした数少ないデザイナーをめぐって、世界中で買収合戦が繰り広げられている。グーグルもフェイスブックも、優れたデザインをもつアプリ会社を買収しているが、その背景にあるのは、会社が抱えるデザイナーの獲得だ。昨年5月には、世界的コンサルティング会社アクセンチュアが、デザイン会社フィヨルドを買収した。IT企業のみならず、大手コンサルティング会社もこの買収合戦に参加しているのが現状だ。

「日本の中で、デザインというものの地位を高めたい。そのためにはまず、トップの意識を変えなければならない。家電業界が負けているのも、UIデザインを軽視していることに原因があるのではないでしょうか。そういった点で、ヤンマーなどはすごく挑戦的だと思います。」

そう土屋CEOは意気込みを見せる。デザイナーの地位向上の一環として、グッドパッチは「メモパッチ」というブログも運営している。

「15年前、マッキンゼーという名前を知っている人は多くはありませんでした。それが今では、ほぼ誰もが知る会社になっている。それと同じように、今はまだ名が知られていない世界的デザイン会社IDEOやfrog designが、15年後には同じような状況になっているでしょう。」

戦略コンサルティングから、クリエーティブコンサルティングへ。もうこの流れは来つつあるという。実際に、IDEOやfrog designといったデザイン会社の知名度は近年急速に高まっている。また、スタンフォード大学のデザイン研究所「Dスクール」には、世界各国から受講者が殺到している。

「日本から、世界に通用するデザイン会社を作りたい」

独自のカルチャー、パートナーに信頼されるUIデザインを武器に、グッドパッチは5年後までに上場を目指すという。

(構成:荒川拓 撮影:今井康一)

※次回は、UI改善プラットフォームサービス事業を行う、KAIZEN platform Inc.を取り上げます。2月3日掲載予定です。

東洋経済オンライン編集部

ベテランから若手まで個性的な部員がそろう編集部。編集作業が中心だが、もちろん取材もこなします(画像はイメージです)

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