元グーグル日本法人社長の"生き抜く"読書術

出世競争に負けても動じない、本との付き合い方

IT業界を生き抜いてきた村上氏の原点は、高校時代の読書にあった(撮影:尾形文繁)
元グーグル日本法人社長の村上憲郎氏は、黎明期からIT業界を生き抜き、国内外で実績を残してきたビジネスパーソンだ。環境変化に適応するため、読書から多くの知を吸収し、アウトプットに生かしてきたという。その秘訣はどこにあるのか。ここでは、週刊東洋経済2014年1月11日号(1月6日発売)の特集「1%の人になるための読書術」に掲載した村上氏秘伝の「読書術」「勉強術」の拡大版をお届けする。多くのビジネスパーソンにとって、参考になるはずだ。

効率が悪い人は曖昧なまま読んでいる

――日立電子(現・日立国際電気)、DEC(ディジタル・イクイップメント・コーポレーション)、グーグルなど、変化の激しいIT業界に適応し、結果を残してきました。

1970年に京都大学工学部を卒業した後、日立電子に入社し設計部に配属されました。当時はミニコンピュータがいろいろな分野で使われ始めた頃で、大学や企業の研究室で実験データをコンピュータで解析したいというニーズが出てきていました。私はそうした研究者のところにお邪魔して、何ができるか、どうシステムを構築すればいいかを提案する仕事を担当したわけです。

お客さんごとに研究領域は違いますから、当然こちらはまったくわかりません。それでも話を聞きに行って、翌週には提案書を持って行かないといけない。時間がない中で、どうしたか。

そういうとき、選ぶ本は1冊だけです。それも分厚い専門書を読んでいるわけにはいかないので、絵がたくさん描いてある入門書を選んで読んでいました。

その際に大事なことは、「これはこういう実験ですよね」と、自分の現時点での解釈を、言い切る形で提案書に書くこと。間違ってもいいんです。仮でいいので、今の理解をはっきりさせておくほうがいい。間違っていれば、先生が指摘してくれます。

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