元グーグル日本法人社長の"生き抜く"読書術 出世競争に負けても動じない、本との付き合い方
――英語を勉強するために、洋書を読むことは有効でしょうか。
31歳でコンピュータ企業の米DECに移ってからは、英語の勉強をしないといけなくなりました。読むのに1000時間、単語を覚えるのに1000時間、リスニングに1000時間。1日3時間の勉強を3年間続けました。
英語を勉強する際にも本を活用しました。最初に読んだのはロバート・B・パーカーの探偵小説、スペンサーシリーズ。DECの本社に近いボストンが舞台で、会話が多いので読みやすい。子ども向けに物が動くメカニズムや歴史を解説した本も、学習に役立ちました。
慣れてきたら、次はアーサー・ヘイリーの産業小説に移りました。ホテル業界や製薬業界など、各業界を舞台にした作品です。こうした小説は業界用語なども習得できるのが利点です。そして、最終的にはアルビン・トフラーの『第三の波』のようなビジネス書、ノンフィクションへと移行しました。
オススメはマンキューの『経済学』
――若い人はどんな本を読めばいいでしょうか。
若い人には、経済学の本を読むことを薦めます。就職して社会に入ったのだから、社会がどう動いているのか、株式会社や資本主義とはどういう仕組みなのか、会社とは何なのかということを勉強したほうがいい。
私はマンキューの『経済学』を、いろいろなところで読め、読めと言って回っています。「あれを読まないで国会議員にはなるな」とかね。われわれの学生時代には、岩波書店からサミュエルソンの『経済学』というのが出ていて、皆それを読まされたのですが、まったく理解できずに数ページで挫折しました。
それに比べて、マンキューは読みやすい。読んで経済学が初めて理解できたと思った教科書です。ダイジェスト版でもいいから読んでほしい。
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