トヨタ自動車と日産自動車を分析する

なぜ日産は、「独り負け」しているのか

業績自体は悪い水準ではありませんが、前期より落としてしまっていることは間違いありません。その結果、日産は今期の業績予想を2期連続で下方修正しました。先にも述べたように、ほかの日本の自動車メーカーが軒並み好決算を出している中では、かなり異例だとも言えます。

もう少し詳しく分析してみましょう。所在地別の業績をまとめたセグメント情報(2012年4~9月と2013年4~9月、17~18ページ参照)を見てください。

「売上高合計」を見ますと、日本は2兆2560億円から2兆3108億円まで少し伸びています。前半で分析したトヨタほどの伸びはありません。「営業利益」は、878億円から1742億円という、まずまずの伸びです。

では、どこで利益が落ち込んでいるのかといいますと、「北米」「欧州」「アジア」、中近東や中南米を含む「その他」の地域です。日本を除くすべての地域で、売上高は増えているものの、営業利益が減少しているのです。

この理由は、なぜでしょうか。ひとつめのポイントは、好調であるはずの北米市場での営業利益が減少しているという点です。北米市場というのは、高級車や高性能車が売れる最大の高収益市場です。ここで利益が稼げないということは、米国市場に対しての魅力的な車がそれほど出ていないと言えるのではないでしょうか。

これは、北米市場だけでなく、日本市場でも言えることです。確かに日本のメーカーを見渡しても、高級車が売れているメーカーはレクサスを持つトヨタくらいしかありません。そこで、ホンダは軽自動車「N BOX」で成功しました。スズキやダイハツなども軽自動車に力を入れていますし、マツダや富士重工業は高性能車のラインナップを充実させるなど、各社で目玉商品やヒット車種を作り上げています。

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