eSIMの設定方法は2つ。1つはアプリを使う形で、国際ローミングを専用とする「GigSky」や、アメリカの「T-Mobile」などの通信事業者は、この方法を採用する。こうした通信事業者を使うときは、App Storeでアプリをダウンロードして、アカウントを作るなどしたあと、必要なプランを契約するとeSIMが書き込まれる。契約からeSIMの設定までがワンストップでできるので簡単だ。
もう1つは、通信事業者から発行されたQRコードを読み取る方法。この場合は事前にオンラインで海外キャリアのアカウントを作り、契約や支払いを済ませたあと、発行されるQRコードを読み取る流れになる。QRコードの読み取りは、「設定」の「モバイル通信」にある、「モバイル通信プランを追加」で行う。
筆者もさまざまな通信事業者のeSIMを試してみたが、料金面でオススメなのが、香港を拠点にする「3香港」。10日で138香港ドル(約1970円)で、1日当たり500MBまでデータ通信が可能になる。使えるのは、20の国や地域とやや少ないものの、アメリカや韓国、中国、台湾など、日本人の渡航が多いエリアはしっかりカバーしているのがうれしい。
ただし、欧州はイギリスやフランスをカバーしている一方で、ドイツやスペインが非対応。このようなときは、NTTコミュニケーションズが買収したTransatelという会社の「Ubigi」が役に立つ。本拠地をフランスに構えているだけに、欧州の料金は比較的安め。一例を挙げると、フランスでは3GBで15ドル(約1680円)、スペインでは10GBで19ドル(約2130円)、ドイツでは3GBで15ドル(約1680円)で、使い方にもよるが、10日程度であれば十分な容量が買える。
旅先で撮った写真をアップロードするなど、何らかの事情で大容量の通信を使いたいときは、ルクセンブルクの「MTX Connect」が提供する、使い放題プランが便利だ。こちらは、1日9.99ユーロ(約1260円)だが、データ通信を無制限に利用できるのがメリット。eSIMは最大で10契約分までiPhoneに入れておくことができるため、ほかの通信事業者と使い分けてもいい。
ちなみに、eSIMを設定すると、iPhoneはデュアルSIMの状態になる。普段日本で使っているSIMカードを入れておけば、国際ローミングで電話を待ち受けたまま、データ通信だけをeSIMで行うといったことが可能になる。iPhone XS、XS Max、XRを持っている人が海外に行くときに、これを使わない手はない。
2.eSIM非対応のiPhoneは別途SIMカードを用意する
とはいえ、全員が最新のiPhoneを持っているわけではない。iPhone 7を発売後、時間が経ってから買ったり、iPhone 8、8 PlusやiPhone Xを買った人は、まだ割賦も残っているため、eSIMのためだけに最新モデルに買い替えるわけにはいかないだろう。そんな人にオススメなのが、海外用のSIMカードだ。
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