こちらはeSIMとは異なり、SIMカードの差し替えが必要になるため、普段使っている通信事業者と同時に利用することはできないが、データ通信の価格が安いため、レンタルのWi-Fiルーターや国際ローミングよりも、支払いを安く抑えることができる。例えば、格安スマホでおなじみの日本通信と旅行会社大手のH.I.S.が設立したH.I.S.モバイルは、24時間500円でデータ通信ができる、「変なSIM」を販売している。
SIMカード代が1980円かかるが、それを含めても10日で6980円で済むため、国際ローミングより割安。データ通信の容量は1日200MBになる。一度買っておけば、2回目以降はSIMカード代が不要になるため、定期的に海外に出かける人は、1枚持っておいてもいいだろう。なお、利用には、iPhoneのSIMロックを解除する必要がある。変なSIMは薄いシールの形になっており、既存のSIMカードの上に張り付けて使う。アプリ側で普段使っているSIMカードか、変なSIMを使うかを切り替える仕組みだ。SIMカードの差し替えがいらないため、気軽に利用できる。
また、前述のeSIMで名前の挙がっていたGigSkyも、SIMカードを販売している。日本では代理店が取り扱っており、Amazonで購入できる。SIMカードの代金は2580円で、通信料は主な国や地域で、500MBが1800円、1GBが2400円、2GBが3600円、5GBが6000円。10日であれば、2GBプランか5GBプランを選ぶといいだろう。2580円には600円分のクレジットが含まれているため、2GBで5580円、5GBで7980円になる。
ほかにも、アイツーの取り扱う「トラベルe-SIM」や、格安スマホでおなじみのIIJが販売する「IIJmio海外トラベルSIM」など、さまざまな海外用SIMカードが存在する。旅行前に、これらのSIMカードを探してみてもいいだろう。なお、いずれのSIMカードも、利用する際にはiPhoneのSIMロックを解除しておく必要がある。
3.海外での通話料は「IP電話」で節約する
国際ローミングというと、データ通信の話になりがちだが、意外と高額になってしまうのが通話料だ。しかも海外では、日本にいるときと異なり、着信した場合にも料金がかかってしまう。ドコモの料金を例に取ると、アメリカでは日本向けの通話が発信で1分140円だが、着信では1分175円かかる。電話を受け、10分間話しただけで、1750円もかかってしまうのだ。これでは、いくらデータ通信を節約しても意味がない。
家族で旅行している場合、一時的に別行動して、後から連絡を取り合うこともあるだろう。このようなときも、相手のケータイに電話すると、いったん日本を経由しなければならず、日本向けの国際ローミング料金がかかる。家族単位で見ると、発信料の1分140円と着信料の175円が同時に発生し、1分通話しただけで料金は315円にものぼる。
通話料を節約したいときは、IP電話アプリに電話を転送してしまうのがオススメだ。IP電話はデータ通信のネットワークでやり取りされるため、場所を問わず、料金は一律。海外にいても、日本と同じ料金しかかからないため、発信した場合の料金が安いだけでなく、着信料も無料になる。転送電話の転送先をIP電話の番号に設定しておけば、普段使っている電話番号に着信があったときに、IP電話で受けることが可能だ。
iPhoneで利用できるIP電話サービスにはさまざまな種類があるが、料金的にオススメなのは楽天コミュニケーションズの提供する「SMARTalk」で、月額利用料がかからない。発信する場合も、30秒8円と安価だ。格安スマホのmineoを運営するオプテージがサービスを行う「LaLa Call」も、月額利用料が100円と比較的安い。現在、基本料金が3カ月無料になるキャンペーンを実施ているため、試してみてもいいだろう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら