「プラスチックごみ」対策意識が低い日本の現状

荒川で1年に回収するペットボトルは4万本

「荒川で河岸清掃をしているボランティア団体が1年間に拾うペットボトルは4万本を超える」と高田教授が語るように、100%の回収でなければ、意図しない理由も含めて海に流れ着き、海洋汚染につながりかねないという。

こうしたプラスチックごみは、景観を損ねることはもちろん、それ以上に海洋生物への影響が懸念されている。とくに海中に流出したごみは、生物が誤って食べてしまうこともあり、生態系に悪影響を及ぼすことがわかっている。

プラスチックごみの国際動向

生態系への悪影響が可視化されるに伴い、海洋プラスチック問題に関する国際動向も活発化している。

持続可能な開発目標(SDGs)の目標の一つには、「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」と掲げられている。

2018年6月、カナダで開催された先進国首脳会議(G7サミット)では、「海洋プラスチック憲章」が採択された。これは海洋プラスチック問題に対して、プラスチックの使用量を削減するなど世界各国に具体的な対策を促すもの。しかし、アメリカと日本は署名を拒否し、波紋を広げた。

拒否した理由について環境省は、数値目標が義務的かつ期限のあるものだったことを挙げ、「産業界と条件調整を行う時間が足りなかった」と説明している。

これに対して、前出の高田教授が「使い捨てプラスチックの削減は、2017年の国連海洋会議などでも提案されており、『時間がなかった』というのは言い訳に過ぎないのではないか」と指摘するなど、批判の声もある。

いずれにしても、多くの国が使い捨てプラスチックの規制に動くなか、日本はプラスチックごみの問題において“後進国”とされている。その背景には、これまでプラスチックごみ問題が、日本国内で深刻に捉えられていなかったことがある。

では、海洋を漂うことになったプラスチックごみは、具体的にどのような問題を引き起こしているのか。リディラバジャーナルでは、海中の生物に対してプラスチックごみが与える危害についても特集している。

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