「プラスチックごみ」対策意識が低い日本の現状 荒川で1年に回収するペットボトルは4万本
“意図しないごみ”の一つとして、下の写真の緑色のごみを挙げる。
これは、家庭のベランダや玄関、庭、あるいは屋上などで用いられる人工芝の破片だ。使っているうちに劣化し、ちぎれやすくなった芝の一部が人の靴などに付着して路上に。その後、雨などで流されて排水溝に入り、海に流れ着いている。
また、不法投棄されたものや捨てたつもりでもごみ箱からあふれ出したり、ごみ箱がいっぱいになっていれば多くの人がごみ箱の周辺にごみを置いていく。プラスチックは軽いために、それらが風で飛ばされたり、雨で流されたりもしやすい。
海にはどのようなごみがあるのか
そうして海に流れ着いたごみのなかには、どのようなプラスチックごみがあるのか。
2017年に行われた海のごみ拾いキャンペーン「国際海岸クリーンアップ」(JEAN主催)の調査によれば、海岸のプラスチックごみのなかでとくに日常生活などから出るものとして最も多かったのは、1位 たばこのフィルター、2位 ペットボトル、3位 食品の包装・袋だった。
「たばこのフィルターは吸い口に近い部分で、プラスチックの一種でできています。喫煙者のマナーの問題なのか、こうした調査では上位の常連です」(小島さん)
上の写真は、東京都の荒川河口から3km遡った河川敷の風景だ。2016年5月にプラスチックごみによる海洋汚染を調査している東京農工大学の高田秀重教授が撮影したもの。大部分がペットボトルであることがわかる。
PETボトルリサイクル推進協議会の調査によれば、ペットボトルの回収率は92%に上る。しかし同調査で、その後の行方を「不明」とされる残りが何らかの形で、こうして海岸に漂着している。