離婚問題のプロに聞く「ドロ沼化」を防ぐ方法

禍根を残さないために何をなすべきか

――それができる関係性ならば、ケンカはしても離婚にまでは至らないんでしょうけどね。不幸にも別れることになったとして、ドロ沼化しないためのコツを教えてください。

相手を責める気持ちを抑えて、自分のほうから相手のために何かをしてあげることです。例えば、寒い時期に出て行ってしまった相手のために冬物の衣料を送ってあげる、子どもの保育園への送り迎えは協力する、などです。相手が現実的に困っていることを想像して助けの手を積極的に差し伸べれば、相手からの印象は格段によくなります。

別居をするとお互いに疑心暗鬼になりがちです。財産を隠しているのではないか?と疑われたりします。そんなときも怒るのではなく、できるだけオープンにして話し合う姿勢を持てるといいですね。銀行通帳を見せてほしいと頼まれたら、正直に見せてあげましょう。

そんなに優しくできるならばそもそも離婚しない、とまた言われそうですね。でも、この姿勢は相手のためだけではありません。憎まれて不要な攻撃をされることを避けるための戦略とも言えます。

――そうは言っても、離婚の前後では孤独感の裏返しで攻撃的になってしまうものです。心強い味方として弁護士さんにお願いするとして、費用はいくらぐらいかかるものなのでしょうか。

それは弁護士によっても違いますし、案件によっても異なります。あくまで目安ですが、着手金として30万円、無事に離婚が成立した際の報酬金としてさらに50万円といったところでしょうか。

――けっこう高いんですね……。

もちろん、「これは比較的簡単に決着するな」と判断したら、報酬金はもう少し安くなります。「調停では済まずに裁判までいくだろう。2、3年はかかる」という案件では高めにせざるをえません。

――頼りになる弁護士とはどんな人だと思いますか?

経験豊富で、事件の筋読みがうまい人です。依頼者から相談を受けた際、「この案件にはこういう争点があり、仮に判決が下りたらこのように決着するだろう」と見通せる能力が高いことが重要だと思います。

弁護士選びのミソは?

――そういう弁護士さんを見つけるのは難しそうです。どうすればいいと思いますか?

自宅の水道が壊れてしまったときの対処と同じだと私は思っています。CMで見かけただけの水道工事店に電話するよりも、地元にしっかり根付いている工務店に頼んだほうが安心ですよね。アフターサービスもちゃんとしているでしょう。

信頼できる弁護士を知らない場合は、周辺業種である税理士さん、司法書士さん、不動産屋さんなどに相談するといいかもしれません。私たち弁護士は親しくしている税理士さんが必ずいます。税法は知っていても実務までは詳しくないので、相続案件などで協力し合うことが多いからです。

紹介者がいると弁護士も安心します。依頼者の人となりが想像できますから。また、紹介者の顔を潰すわけにはいかないのでしっかり対応しなくちゃと気が引き締まるものです。

紹介者がいる場合もいない場合も、とにかく一度相談に行ってみることをお勧めします。30分も対面で話せば弁護士の人となりがわかるし、自分と合うか合わないかも判断できるはず。合わなければ、セカンドオピニオン、サードオピニオンをとっていいと思います。

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