言葉ができなきゃ「話にならない」グローバル

もう待ったなしのマルチリンガル化

グローバル市場を標的とする大学の成長戦略

一方、大学・大学院のグローバル化も加速しており、アメリカ、ヨーロッパ、中国、ASEANの4地域が連携する動きが活発になっています。

2011年4月、アメリカ・アイビーリーグの名門イェール大学が、アジアのトップ大学のひとつであるシンガポール国立大学(NUS)と提携し、シンガポールにリベラルアーツ・カレッジを設立すると発表しました。NUSはアメリカの名門大学との提携によるブランド力向上を、イェール大学は伸長するアジア市場での学生獲得を通したビジネスのグローバル化を、狙っています。同年8月に、世界130カ国から集まった1万1400の応募者から選抜された1期生157人が入学し、その後、毎年250人のペースで学生数を増やしているそうです。ニューヨーク大学(NYU)も昨年9月に上海キャンパスをオープンしました。初年度の学生は中国・グローバルが半々とのことです。 

ビジネススクールの中では、INSEADがグローバル化の先鋒で、フランスの本校に加えてシンガポールとアブダビにキャンパスを持ち、2007年には清華大学と提携してエグゼクティブMBAプログラムを立ち上げました。INSEADの学長は、本拠地のフォンテンブローではなく、シンガポールを活動拠点としているそうです。

中国でも教育部(文部科学省に相当)の支援を受けて、海外の大学との共同プロジェクトの総数が1500にも上っています。特に、教育部の「国際合作与交流司」はASEAN諸国との連携を推進しており、すでにマレーシア、タイ、ベトナム、フィリピンと学位の相互認定の協定を結んでいます。厦門(アモイ)大学は2015年にクアラルンプール郊外にマレーシア・キャンパスをオープンする計画を進めています。

「コトバの壁」を打ち破るのは日本人自身

日本語が唯一の公式言語である日本は、「コトバの壁」を最大の非関税障壁として、日本市場をグローバル企業の侵入から守ってきました。しかし、ビジネスだけでなく教育やスポーツの分野でもダイナミックに進行するグローバル化に、日本単独で対抗するのは現実的ではありません。グローバルを志す日本人に、マルチリンガル化というテーマが待ったなしに突き付けられているのです。

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