「マイホームの欠陥」保証は新築と中古で大差 購入した家の不具合はどこまで保証されるか

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では、中古住宅の場合はどうなるのだろうか?

実は、品確法による保証やアフターサービスによる保証は、保証期間がまだ残っていたとしても新たな買い主には引き継げないのが原則だ。築7年の中古住宅だから、残り3年は品確法の保証を受けられる、というわけではない。

つまり、保証を求める先は、あくまで中古住宅の売り主ということになる。ところが、中古住宅の売り主となるのは、個人ということが多い。不動産会社が買い取った中古住宅をリノベーションして販売する場合などと、個人が売り主の場合とでは、保証の範囲が変わってくる。

というのも、売却した中古住宅の不具合について、その責任を長期間にわたって個人に負わせるのは荷が重すぎるという考えからだ。

契約の際にしっかり確認

そのため、売り主が責任を負う期間を明記して売買契約書を交わすことになるが、個人が売り主の場合は長くても3カ月程度で、責任を負わないという契約もありうる。つまり、どの部分を誰がどこまで保証するのかは、契約の際にしっかり確認する必要がある。

一方、売り主が宅地建物取引業者である場合、「宅地建物取引業法(宅建業法)」によって、引き渡し後最低2年間は、品確法の対象となるような住宅の構造上で重要な部分や、雨水の侵入を防止する部分の重大な不具合については、責任を負うことになっている。とはいえ、最低の2年間だけ保証する宅建業者がほとんどだ。

ただし、売り主となる事業者の中には、リノベーションした部分については、交換した部位ごとにアフターサービスを用意していることがある。その場合は、構造中の重要な部分だけでなく、壁紙やフローリング、建具なども保証の対象になる可能性がある。

他方で、宅建業者が売り主の場合でも、倒産するなどで補修が難しい場合、泣き寝入りとなる可能性もある。新築住宅の場合は、売り主などが保険などに加入して、品確法の定めた10年間は補修費用を確保する制度が整っているが、中古住宅の場合は対象外だからだ。

中古住宅では、不具合の保証が薄いという課題に対して、瑕疵保険(かしほけん)というものが用意されている。売り主となる宅建業者や個人(買い主が加入することも可能)が、任意の「既存住宅売買瑕疵保険」に加入して、住宅の構造上で重要な部分や雨水の侵入を防止する部分の重大な不具合について、5年間(宅建業者の場合は2年間)は保険金で補修する制度を利用する方法もある。

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