三菱UFJ社長「チャレンジする人材を評価する」 4月就任の三毛兼承・新社長が語る新戦略
2つ目は「実行」だ。これまでのMUFGは、計画は綿密だが、具体的な行動が十分でないと批判されてきた。これからは実践、実行第一で意思決定していく。例えば、70%の完成度でも、リスクを十分に考慮して可能であれば実行していく。
3つ目は「デジタライゼーション」だ。デジタライゼーションの方向性は2つある。今までにない新しいサービスや体験、価値を提供するという方向性と従来のサービスをより便利で低コストに提供するという方向性だ。
前者には情報信託のようなサービスがある。後者は、支店に行かなくても、手続きや取引ができるものを目指している。いつでもどこでも銀行と接点を持つことができる。(銀行との接点となる)デバイスはスマホやタブレット、将来的にはスマートスピーカーのようなものになるかもしれない。
いずれにしても、私たちが取り組む変革は従来の延長線上にはないものばかりだ。想定していないようなチャレンジもあると覚悟している。
銀行へのニーズは「手続き」と「相談」
ーー銀行業は今後どのような形に変化していくのでしょうか。
(消費者が)一般的に銀行に行くニーズは2種類あると考えている。1つは手続き、もう1つは相談のニーズだ。この2つを分けて考える必要がある。
銀行や金融は経済活動の血流に当たる。その血流を順調にまわすための手続きは不可欠だが、(消費者にしてみれば)簡潔に、便利に終わって欲しいものだ。そういうニーズはデジタル化で対応する。今までは通帳や印鑑を持って店舗に行かなければならなかったものが、デバイスを通じてインターネットでできるようになる。
一方、何かあった時の相談という面ではコンサルティングに特化した店舗を展開していく。日中の混雑した店舗ではなく、静かで時間的に余裕のある中でじっくり相談ができるようになる。
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