三菱UFJ社長「チャレンジする人材を評価する」

4月就任の三毛兼承・新社長が語る新戦略

東京・丸の内にある三菱UFJフィナンシャル・グループの本社ビル(写真:時事通信)
銀行業界はいま、大きな変革期を迎えている。低金利の長期化によって、これまで中核としてきた国内の預貸業務が縮小。デジタル化の波が押し寄せる中、異業種の参入も相次ぎ、伝統的な銀行ビジネスの見直しを迫られている。
この先、銀行業はどのように変化し、どうやって生き残っていくのか。これまで6年間、社長を務めてきた平野信行氏(4月1日より会長)に代わり、三毛兼承・三菱UFJ銀行頭取が4月1日付けで三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の社長を兼務する。三毛新社長に今後のグループ戦略を尋ねた。

前例や過去にとらわれず、挑戦を重視

ーー社長就任にあたっての抱負は?

銀行業界がめまぐるしく変化している中、グローバルなグループ一体経営がますます重要になる。その中で強いリーダーシップを発揮して、変革のスピードをさらに上げることが第一の使命だ。

目標とする会社の姿は「グローバルに信頼、信用され、イノベーションを象徴する存在」。テクノロジーの進化で顧客のニーズも速いスピードで変化している。私たち自身がイノベーションを起こして、応えていく必要がある。

さまざまな業種が金融の世界に参入し、新しいサービスが次々に提供されていく中で、お客様にとっては「(異業種を含めた)どのサービスを安心して選ぶのか」がテーマになってくる。信頼や信用は金融にとって不変の価値だ。これまで銀行は長年培ってきた信頼を守っていこうという考え方をしてきた。新しい経験や新しいサービスを通じて、「守る」だけではなく、新しい信頼を「作る」というマインドセットに変えていく。

ーー新しい信頼をどのように作っていくのでしょうか

重要視する点は3つある。1つ目は「挑戦」だ。新しいサービスやソリューションを提供するために、前例や過去にとらわれずにチャレンジするカルチャーを作っていく。

業績といった表面的な結果よりも、チャレンジする姿勢を評価していく。これを可能にするため、4月には人事制度にも手をつけた。行員のモチベーションや働きがいを向上させ、よりよいサービスにつなげる。この循環こそMUFGの持続的成長のプロセスになる。

【記者の視点】4月から三菱UFJ銀行に導入された人事制度では、業務や勤務地が限定されていた「総合職(特定)」を「総合職」に統一。勤務地は年度ごとに選択可能とした。人事評価の仕組みも、これまでの収益重視の評価から、取り組み姿勢や働きぶりなどを重視する体系を導入。グループ内の希望業務に応募できる社内公募制度もすでに導入されており、行員が自身のキャリア拡大に「挑戦」することを後押しする。
MUFGは2023年度までに9500人分の業務量削減を計画している。一方で、中期経営計画で示した海外業務や資産運用など、強化していく11の事業分野には人材を集中的に投じていく。銀行ビジネスが大きく変化している中、三毛新社長が言うように、銀行員も既存業務にとどまり続けるのではなく、新しい分野に挑戦し、業務を広げなければならないということだろう。
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