2007年1月にデビューしたミニバン「デリカD:5」が2019年2月、12年ぶりに新型となった。正確には代替わりを伴っておらず、いわゆるビッグマイナーチェンジと呼ばれる範疇だが変更箇所は多岐にわたる。
変更箇所の詳細など一般的なカタログ情報は過去に東洋経済オンラインの別記事で触れているので割愛するが、エンジン、トランスミッション、シャーシにとどまらず今回の改良は走行性能を左右する大部分のパーツにまで及んでいる。また、特徴的だった外観もその印象をガラリと変えるほど大きな変貌を遂げた。
新型では従来の「標準仕様」に加えて、専用の外観デザインを採用した「アーバンギア」が新たに設定された。ボディそのものは同じで、エンジンやダンパー減衰力などに起因する走行性能も2タイプ共通とのことだが、掲載画像で確認できるように標準仕様(黒色)とアーバンギア(白色)ではグリルデザインや前後のバンパー形状に違いが見られる。
個性が詰まったデリカD:5
あらためるまでもなく、国内ミニバン市場は百花繚乱だ。大中小のサイズ違いに始まり、ガソリン/ハイブリッド、そしてディーゼルと豊富なパワートレーンをもつミニバンが各メーカーから発売されている。
そうしたなかデリカD:5は、三菱お得意のSUVテイストあふれるスタイルと、「AWC」(オール・ホイール・コントロール)の考え方に基づいた三菱独自の4WDシステムによる悪路での高い走破性能を持ち合わせて個性を発揮。2012年12月に追加されたディーゼルエンジンモデルでは、スライドドア方式ミニバン×4WDの強みと重なりユーザーの心をがっちりと捉えた。
また、ベースとなるシャーシは名車「ランサー・エボリューションⅩ」と共通で、これにSUVに必要な設計思想を加えることで初代アウトランダーやこのデリカD:5が誕生した経緯がある。このように生い立ちからして徹底的にユニークな存在であった。
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