三菱「デリカD:5」公道で乗ってわかった実力

12年ぶりの刷新で、何がどう進化したのか

新型デリカD:5の後ろ姿(筆者撮影)

加えて中間速度域での加速フィールも大きく改善された。山道を35~55km/h付近で加減速を繰り返して走行してみるとその違いは顕著で、新型はきつい登坂路でもアクセル操作に呼応した素早いシフトダウンとともにわずかなエンジン回転数の上昇だけで速度維持が容易に行えるようになった。

6速の従来型では物理的にギヤとギヤとのステップ比率が大きく、よってシフトダウン時のエンジン回転数上昇も大きめで車内騒音も高まっていたのだが、8速化により各ギヤ段の守備範囲がこれまで以上にクロスし回転上昇が抑えられた。また、こうした走行フィールの向上には、8速化に合わせたエンジントルク特性の変更も大きく効いている。

具体的には、最高出力を従来型の148PSから新型では145PSへと低下させつつ、代わりに最大トルクを5%以上向上(360Nm→380Nm)させた。この特性に8速化が加わることで、結果的に走行負荷が高まった際でも安定した駆動力が生み出せるようになった。

異彩を放ち続けるクルマ

新型は上質さの向上を目的に、デザインを大幅に変更し、走行フィールの面ではステアリング操舵力を軽くして、さらに車内も静かになった。ドライバーとして1列目シートしか試せなかったものの、乗り心地も大幅によくなり快適性も向上。そして8速化によって中間速度域の加速フィールも大きく改善した。また、今やクルマ選びの大きな基準となったADAS(先進安全技術)では、「衝突被害軽減ブレーキ」にはじまるADAS機能の集合体「e-Assist(予防安全技術)」を装備するなど万全だ。

ただ個人的には課題も残されたように思う。細かなことだが、3列目シートの中央席も多用するユーザーのひとりとしては、この先、中央席にもヘッドレストレイントが装着されればいいなと思う。現状の3列目シートはフルフラットになるだけでなく跳ね上げ方式も採用するため構造上、変更は難しいとの想像はできるのだが……。ともあれ、スライド方式のドア形状をもつミニバンでSUV、かつ本格的な4WD性能を持ち合わせたディーゼルエンジン搭載車というスタンスは、この先もこれまで同様に異彩を放ち続けることだろう。

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