VWが打ち出した電動化時代の「クルマの形」

バッテリーEVの販売構成を40~50%引上げへ

フォルクスワーゲンがジュネーブモーターショーで公開したEVコンセプトカーの「ID.BUGGY」(筆者撮影)

3月初旬、スイス・ジュネーブで開催された「第89回ジュネーブ国際モーターショー」(以下、ジュネーブモーターショー)では、今年もさまざまな電動車両が出展された。ここでの電動車両とはBEV(バッテリーEV)と呼ぶ電気自動車のほか、PHV/PHEVと呼ばれるプラグインハイブリッド車や、各社独自のシステムを含むハイブリッド車のことだ。

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「BEVでなければ、この先のクルマにあらず」といった偏った意見が見受けられる一方で、今回のジュネーブモーターショー会場でもそうだが、昨今ではそれが唯一の回答でないことが明らかになっている。内燃機関との共存を図っていくことで、国と地域のエネルギー事情に応じた電動化がスムーズに行えるからだ。

VWが打ち出した方向性

2019年1月、世界経済フォーラム(ダボス会議)の場でフォルクスワーゲンAG会長のヘルベルト・ディース氏は、「現在、運輸部門でのCO2排出量は全体の約14%を占めています。よって、交通手段を変えるだけでは地球の気候変動を抑えることはできません。したがって、私たちはパリ協定(カーボンニュートラル連合)での提言実現を目指します。この先、地球全体の気温上昇を2℃以下に保つためには、2050年までにモビリティを(二酸化炭素を排出しない)CO2フリーにする必要があるからです。その実現に向け、最も効率的な(運輸部門におけるCO2削減)方法はBEVです。動力となるエネルギーは主に風力や太陽光などの再生可能なグリーンエネルギーを用いて作り出します」と語っている。

フォルクスワーゲンAG会長のヘルベルト・ディース氏(筆者撮影)

ディース氏は続けて「BEVは燃料電池の約3倍、化石燃料の代替燃料よりも5倍から7倍効率が良い」とし、「私たちのフォルクスワーゲングループは今後5年間でCO2フリーを目的に300億ユーロを投資し、2025年までに電動車両を現在の6車種から50車種以上に拡大する予定です。このうちBEVは25%となると予想しています」と話した。

そのダボス会議の開催からわずか2カ月後、状況が変化する。「2025年にBEV25%」と発言していたディース氏自身が、さらに一歩進んだBEVの将来像を語った。

ディース氏はジュネーブモーターショーにおける筆者を交えたグループインタビューの席で、「フォルクスワーゲングループの販売構成で考えた場合、2025年にBEV25%、ハイブリッド車を含めた内燃機関で75%という数値は現実的です。しかしCO2排出量の2021年目標値である95g/km、さらに2030年目標値である66.5g/kmを実現するにはそれだけでは足りないことがわかってきました。BEVは将来的に40~50%に向上させていく必要があると考えています」とした。

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