三菱ふそう「大型観光バス」の知られざる進化 最新モデルの試乗で体感した「先進安全技術」

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三菱ふそうの大型観光バス「エアロクィーン」(左)と大型トラック「スーパーグレート」(筆者撮影)

のりもの全般を試乗対象としている交通コメンテーターとして、今回は大型観光バスの試乗レポートをお届けしたい。皆さんにとってバスの存在は移動手段の1つであり、それ以上でも以下でもないのではないか。乗客として乗ることはあっても自ら運転するとなると職業ドライバーでもない限り経験することがないと思う。今回は去る2月に2019年モデルとして発表された三菱ふそうトラック・バスの大型観光バス「エアロクィーン」と「エアロエース」について紹介する。

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三菱ふそうでは現在、大型観光バスとして「エアロクィーン」と「エアロエース」をラインアップしている。2車の外観上における違いは主に車高で、カタログ上の数値ではエアロエースの3460㎜に対してエアロクィーンは60㎜高い3520㎜。しかし実際は、エアロエースの天井部分に高さ200㎜ほどの直冷式エアコン(平たい切り餅のような構造物)が設置されており、純粋にボディ単体での高さではエアロクィーンがエアロエースを200㎜程度上回っている(アウターミラーの付け根部分で車高の違いが確認できる)。

また、室内高もエアロクィーンがエアロエースより130㎜高く、乗客として乗り込んだ際の見晴らしのよさに加えて開放感もエアロクィーンが上をゆく。ちなみにエアロクィーンのエアコンユニットはホイールベース内に3部屋用意されている荷室スペースのうち最前部に納められている。

最新モデルでは先進安全技術が充実

筆者は商用車全般のテストドライバーを務めたことや、大型バスでの送迎ドライバーを行っていた経験があり、現行型のボディでエアロクィーンとエアロエースを名乗るようになった2007年以降、この2車では公道を含めかなりの距離を走り込んできた。

喜連川研究所の高速周回路でテスト走行を行う筆者(筆者撮影)

今回試乗したのはエアロクィーンの2019年モデル。特徴は、同車両が2016年モデルまで搭載していた排気量12.8lの超大型エンジンを7.7lへとダウンサイジング化し、同時に一般的なクラッチペダルのある6速マニュアルトランスミッションから、クラッチペダルのない2ペダル方式のAMT(機械式自動トランスミッション)に変更するなど先進的なパワートレーンが搭載されたことだ。

ちなみにこの変更は2017年モデルの登場時に行われたものだが、2019年モデルではさらに日本市場初となる車両左側方の死角をカバーするミリ波レーダーの追加や、「衝突被害軽減ブレーキ」の機能強化など、いわゆるADAS(先進安全技術)の充実と外観デザインの変更が施された。

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