西友のダイバーシティが一歩先行く理由 組織図にない組織が活躍
──御社ではパート社員の正社員登用を積極的に行っているとお聞きしました。その狙いは何ですか。
将来、女性リーダーとなる人材パイプラインを強化していくことが目的だ。2004年からパート社員を対象にした「正社員登用制度」を導入しており、これまで316人が正社員に登用された。過去3年間では毎年45人以上が昇格、2013年は過去最多の67人が昇格した。
当社の評価・昇格制度は同じグレード(等級)であれば正社員もパート社員も区別せず、同じ基準で評価・昇格を行う。G1からG8までのグレードがあり、正社員もパート社員もG1からスタートする。パート社員の上限はG3までだが、G3に上がったところで自動的に正社員になる資格が与えられる。さらにG4以上のポジションにチャレンジし、女性店長を目指すこともできる。
──現在の女性管理職比率はどのくらいなのですか。
店舗では店長全体に占める女性店長の割合は6.4%だ。2015年までに現在の約2倍となる10%まで増やしていきたい。
組織図にない組織が活躍
──具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか。

ダイバーシティ推進の柱となっているのは、2008年に発足した「女性リーダーカウンシル」だ。女性の上級管理職8人に加えて各部門からのサポートメンバーで構成されていて、さまざまなダイバーシティ活動を推進すると同時に、アソシエイトとのコミュニケーションを通して浮かび上がってきた課題について、経営陣に提言する役割を担っている。
「女性リーダーカウンシル」はウォルマートから取り入れたものだが、大きな特徴はメンバーが全員ボランティアという点だ。活動は主に昼休みに行い、会社の組織図にも書かれていない。
メンバー個々の自発性に任せることで、会社が用意した組織やポジョンではなく、メンバーが熱意を持って自発的に取り組んでいけるというメリットがある。
──会社の組織ではないという点は興味深いですね。その女性リーダーカウンシルの活動についてですが、どのような取り組みが行われているのでしょうか。
過去6年にわたってさまざまな取り組みを行ってきたが、直近で力を入れているのはDC(物流センター)で働く女性の活躍支援だ。「女性リーダーカウンシル」のサポートにより、2012年9月、三郷、昭島、川越の3つのDCで働く女性アソシエイトを中心に「DCカウンシル」を立ち上げた。ちなみに、全国に12あるセンターのうち2つは女性がセンター長を務めており、将来の女性リーダー育成に向けた意識は高い。
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