──「いざ旅に」といっても、きっかけがないとなかなか……。
年齢を重ねると腰が重くなり、旅に出る何かしらの理由が欲しくなるのはわかりますが、旅は気軽にふらっと出ていいのです。
数年前にイタリアへ行ったのは、航空会社のセールで5万円の往復券を見つけたのがきっかけでした。軽い気持ちでチケットを取ってから、何をするか考えたという経験があります。
旅先が決まると情報収集です。不思議なもので、ガイドブックや雑誌を読んでいると、やりたいことがどんどん出てくる。結局、トスカーナ州をドライブし、ワイナリーなどを訪れることにしました。世界中どこへ行っても、その地ならではの魅力が必ずあります。
オリジナルの「旅リスト」を作ろう
──目的を決めるのもいい?
「今、こんな旅がしてみたい 大人の男海外ひとり旅50」というリストを作り、本書で取り上げました。世界各地で「こんなテーマのある旅ができるのでは」という提案です。例えば「シンガポールのラッフルズホテルにあるロングバーでサマセット・モームの短編小説を読む」「ミュンヘンで行われるオクトーバーフェストで思う存分ビールを飲む」「エチオピアのカッファ地方でコーヒー原木の森を訪ね、真正アラビカコーヒーを飲む」などです。
年齢や経験を重ねると世の中を見る目が変わるように、旅に求める興味も変わります。自身を振り返ってみても、「20代には興味を持てなかったな」ということに、今は関心を抱いています。50のリストにある「ロンドンのサヴィルロウにある紳士服店でオーダーメイドのスーツを作る」や「ニューヨークのビレッジバンガードとブルーノートでジャズを聴きまくる」は、若い頃には思いもつかなかった目的です。
「今の自分なら旅先でこんなことをしたい」というオリジナルの「旅リスト」を、ぜひ作ってほしい。「実現したい」という思いが、旅に出るきっかけとなります。
また、リストの1つをかなえようと旅に出ると、旅先での発見をきっかけに新しいリスト案ができるはず。そうしてさまざまな旅を味わってほしいですね。
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