ピエール瀧が「多額の賠償金」払うのは本当か? 注目すべき点はタレントの「イメージ条項」
俳優でミュージシャンのピエール瀧容疑者がコカインを使用したとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕された事件は、各方面に影響が広がっている。
瀧容疑者はディズニーアニメ「アナと雪の女王」日本版に登場する人気キャラクター「オラフ」の声を担当していたが、ウォルト・ディズニー・ジャパンが声優交代を発表、同様にCMで起用していたLIXILは放送を中止した。
第一線で活躍するタレントが事件を起こした際に取り沙汰されるのが、放送や配信に影響した損害賠償の金額だ。
出演中だったNHK大河ドラマ「いだてん」では代役での再撮影が決定、NHKは損害賠償の請求を検討していると報じられている。瀧容疑者はとくに多作だったため、損害賠償は10億円から数十億円におよぶ可能性があると報じるメディアもある。
しかし、不祥事を起こしたとはいえ、後々は社会復帰への道も必要となる。損害賠償があまりに多額となっても、タレント個人がすべてを負うのか。太田純弁護士に聞いた。
「損害賠償請求」までの流れ
まず、タレントとのマネジメント契約はどうなっている?
「ドラマやCMの出演契約や、所属事務所とのマネジメント契約などでは、タレントが負う義務として、『イメージ条項』と呼ばれるものが書かれていることがあります。契約相手の信用や品位を損なうような言動をしてはならないという義務を記しています。仮に明文がなかったとしても、契約の趣旨に照らして、同様の義務を認定できることもあります」