東野圭吾、僕が自腹でスノボ大会を開く理由 一生懸命にやっている人の励みになりたい
世界で評価される日本人選手は増えたが
インタビュー本文の前に、この大会がいかに注目に値するかを説明しよう。
スノーボードマスターズの初年度の出場者は約120人。初開催にもかかわらず、片山來夢氏や成田童夢氏ら五輪出場選手から、次世代のスターと期待される若手までが滑りを競うハイレベルな大会になった。その理由は総額400万円超という国内最高の賞金額が1つ。もう1つは、スノーボードをめぐる国内の矛盾した状況だ。
日本人のスノーボード・ライダーは世界で今、かつてない高みに到達している。平野歩夢氏は冬季五輪2大会連続で銀メダル(男子ハーフパイプ)を獲得。世界最高峰の大会とされるバートンUSオープンでも今季、日本人男子がハーフパイプ決勝で2位・3位を占めた。また過去の五輪で議論を呼んだ國母和宏氏は、滑走を映像で魅せるプロライダーとして世界屈指の評価を得ている。国際的に評価される日本人選手は着実に増えているのだ。
ところがこういった選手が出場する大会は、国内からほぼ消滅した。過去には「トヨタ・ビッグ・エア」や「エクストレイル・ジャム」があったが、スポンサー企業の撤退で廃止。現在はスポーツ用品販売のムラサキスポーツが協賛する「エアミックス」が残るぐらいだ。こういった中、東野氏が私財でもって本格的な大会を創設したのだ。
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