2014年、中国の中産階級は何を買うのか? 6億人のネットユーザーはどう動く
昨年、酷い大気汚染が日常風景となった中国では、SARSのときもそうであったが、ネットでのマネーの動きが目立った。この消費と投資の主役が、6億人を超えたネットユーザーだ。
たとえば11月11日の「双棍節」。ここ数年で「独身者の日」が転じて「ネットショッピング祭りの日」となった。阿里巴巴(Alibaba)系ショッピングサイトの「天猫(Tmall)」と独立系ショッピングサイト「京東商城(360buy)」の2サイトだけで、実に1日に約1兆円(600億元)を売り上げている。
また2013年の夏に登場した、阿里巴巴系の電子マネー(第三者支払いサービス)「支付宝(Alipay)」。その残金を投資信託に回して、貯金よりも高利回りで運用するサービス「余額宝」の資産総額が、わずか半年強で2000億元(約3兆2000億円)近くになった。
資産総額1000億元を超えたファンドは余額宝が初めてで、勢いのあるときには1日で、資産総額が6億6000万元(100億円超)増えているという。そのほかネットのサービスでは、オンラインで安いホテルや航空券を自身で手配するなどやり繰りし、中国国内外へ旅行する家族や友人同士のグループが増えるなど、消費意欲が旺盛だ。
この消費と投資の主役が、今や全人口の45%を占め、6億人を超えたネットユーザーだ。ネットユーザーの多くが、すでにスマートフォンを所有していて、スマートフォンの中にニュースアプリやメッセンジャーアプリなど、中国で定番のアプリを入れている。ほかのアジアの地域と異なり、家にはパソコンと無線LANとブロードバンドが当然のようににあり、家の中では無線LANを利用してスマートフォンを利用しつつ、PCでもネットを楽しむのがごく当たり前だ。
だから、パソコンとスマートフォンを利用している中で、11月11日のイベントや、余額宝のサービス開始や利用者増の話は、多くのユーザーが目にする。後は実際にカネを使うかどうかだけなのだ。
中産階級と金銭感覚
ネットユーザーと中国の中産階級は、だいたい合致する。中産階級については、広州の中山大学社会調査中心が先日発表した調査結果によれば、「自身の生活について中産階級だと思っている中国人が約6割」とのこと。それより上だと思う人は全体の7.2%、下だと思う人は33.6%となった。
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