2014年、中国の中産階級は何を買うのか? 6億人のネットユーザーはどう動く
なお、ネットユーザーは40歳未満に集中している。1980年代生まれの「80后」、90年代生まれの「90后」は中国のミクロ経済を紹介する本や記事ではよく使われているが、都市部の青年層がネットユーザーのコアな層である。
中国人が考える中産階級とは何か。これは所得よりも生活スタイルから考えたほうがいい。中国ではブルーワーカーの賃金は総じてその地域での平均所得より低く、建設労働者としての能力がどんなに高くても、イメージはよくない。一方で、デスクワーカーの所得はその地域での平均収入程度はあり、仕事によっては国民の平均収入の数倍であることも。
物価が急騰する今となっては、その収入でマイホームを新規に買うことは厳しい。だが、時々外食をし、移動に急ぐときは躊躇なくタクシーに乗り、たまには旅行をする。そんな人々である。
彼らの家にはそれぞれ、日本円にして数万円はする冷蔵庫や電子レンジや洗濯機などの白モノ家電、テレビやスピーカーなどのAV家電、パソコンやデジカメやスマートフォンなどの情報家電はひととおりそろっている。
地方都市でも中産階級層は存在し、中国メディアではしばしば注目されている。地方都市で個人月収2000元(約3万2000円)、世帯収入5000元(約8万円)もあれば中産階級だ。数年前は中産階級といえば世帯年収が日本円にして300万円と言われたときもあったのだから、気持ちのハードルが下がったのかもしれない。
富裕層でなくても、コツコツ稼げるように
今までは中国でも高所得者が注目されていた。以前、中国で中国株バブルが起きたときも、不動産価格が安かったときにこぞって株を買ったのも、(若者で投資できた人もいたにはいたが)その主役は非ネット世代の中産層や富裕層であった。ネット世代はわずか数年前には所得が不十分だったり、まだ社会人でなかったという理由から、恩恵にあずかることはできなかった。
社会人でそれなりに稼げるようになってからは、時すでに遅し。不動産は手が届かないほど高くなり、株は暴落し、上の世代への恨み節が当時は聞かれた。だが余額宝は国債などに投資し、元本割れするリスクが少ない代わりに儲けも少ないMMF(マネー・マネージメント・ファンド)だ。以前の日々の株価で一喜一憂していた潤沢な資金を持つ投資家とは異なり、一般の人でもコツコツ稼ぐことができる。
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