楽天・ヤフーはなぜ敗れた? 激変する中国オンラインショッピング市場
2011年の中国におけるオンラインショッピング(EC)市場規模は約6300億元(約7.5兆円)だった。日本のEC市場規模は10年度で7.8兆円(矢野経済研究所)なので、日中のEC市場規模は近い。
とはいえ、人口減少・高齢化を迎える日本市場に対して、伸び盛りの中国市場。そこに夢を抱き、日本のネットサービスの雄、Yahoo!Japan(ヤフー)は、中国最大のECサイト「淘宝网(淘宝網、TAOBAO、タオバオ)」と提携し、日本で淘宝网の商品が買える「Yahoo!チャイナモール」を、中国でヤフーショッピングの商品が買える「淘日本」を、それぞれ立ち上げた。
日本ECのトップブランド、楽天もまた、中国検索サイトの雄「百度(Baidu、バイドゥ)」と提携し、中国で日本の楽天の商品も取り寄せられるショッピングサイト「乐酷天(楽酷天)」を立ち上げた。それぞれヤフーは10年6月、楽天は10月の話である。
ところが今年に入って「Yahoo!チャイナモール」も「淘日本」も、そして「乐酷天」も終了することが発表された。Yahoo!Japan、楽天、アリババグループの淘宝网、百度といった日中両国を代表するネット企業による日中の合弁ECビジネスは、2年と経たずして敗退に追い込まれてしまった。
■乐酷天の開始を発表する楽天・三木谷会長、10年10月
C2CからB2Cにウエイトが移る中国市場
中国のECの基礎知識を簡単に紹介しよう。EC市場を俯瞰する際には、中国では、日本以上に「C2CかB2Cか」が重要になる。
淘宝网を代表とするC2Cは、日本でいえばヤフーオークションのような個人対個人の取引のこと。一方、B2Cは、楽天市場やAmazonのような企業対個人の取引を意味する。