楽天・ヤフーはなぜ敗れた? 激変する中国オンラインショッピング市場

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 そういった経営体制側の要因はもちろんあるだろう。ただ、中国のネットユーザーの立場から見てみれば、「販売店とのチャットによるコミュニケーションは必須なのに備えていないこと」「他の輸入代理店に比べ値段が高すぎたこと」「取扱商品数が十分でなかったこと」といった、非常に基本的な部分での不備が、敗因として挙げられる。

日本の“製品”へのニーズはまだまだ高い

過ぎたことは仕方がない。だが、中国のEC市場をあきらめるのはまだ早い。「日本の商品」そのものは、まだまだ個人輸入されていて、根強い人気がある。淘宝网で「日本代購(日本での代理購入)」で検索してみれば、実に3400店舗も日本からの転売を行っていることがわかる。日本の商品がそっぽを向かれていたのではなく、日本企業が作ったサイトがそっぽを向かれただけなのだ。

個人レベルからショップを立ち上げる淘宝网では、毎年成功したショップが誕生する。郷に従い日本の商品を売っていこうと思う企業に向けて、どうすれば中国の消費者に直接売っていけるのかを考えてみよう。

 


■マンションの一室を間借りするオンラインショップ運営会社

 

淘宝网には無数のショップがあり、その中には、大学生が就職せずに起業したものや、サラリーマンが仕事中に兼業しているものなどがあり、低コストで運営しているショップばかりで、競争は非常に激しい。一方で、中国政府が若者に対しネットでの起業を勧めていることもあって、しばしば若者のサクセスストーリーが報じられ、今では、月1万元(約12万円)台の収入でも紹介されるようになった。もちろんその上をいくオンラインショップ運営者もいるが、当然ながら、月1万元以下のショップ運営者もゴマンといるわけだ。

かつては、「メーカー代理店や卸売市場の近くに家を借り、注文が来たらすぐに近所の店でモノを買い発送する」だけでも競争に勝てたが、ここ1年はその程度はオンラインショップ運営では当たり前となり、メーカーや工場と提携し、安く供給することもセオリーとなってきた。

また価格競争に加えて、「製品でオリジナリティが出せるかどうか」「自身のブランドがつくれるかどうか」もカギとなりつつある。卸売市場に商品を供給せず、生産したものを複数のオンラインショップと提携して独自ブランドの販売を委託する工場も現れた。

 

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