楽天・ヤフーはなぜ敗れた? 激変する中国オンラインショッピング市場
C2Cは、淘宝网が1サイトで市場シェアのほとんどを占めるのに対し、B2Cは、淘宝网から分かれた「天猫(Tmall)」、デジタル家電に強い「京東商城」、出版物が軸の「Amazon中国(卓越亜馬遜)」「当当网」、アパレルに強い「凡客誠品(Vancl)」など、ジャンルごとにさまざまなサイトがしのぎを削っている。
中国EC市場6300億元のうち、C2C市場規模は3900億元弱、B2C市場規模は2400億元で、以前はC2Cがオンラインショッピング市場のほとんどを占めていたが、近年、多様なサイトが台頭し、認知されてきたことから、B2Cの人気が急上昇し、C2Cの規模に迫っている。
B2CがC2Cに迫っている原因は、「C2Cの不信感」にある。中国のC2Cで、ニセモノや不良品が届いたり、届いたモノが広告と異なっていたりすることはしばしば。今年の3月15日の世界消費者デーには、何年連続だろうか、中国のオンラインショップでのトラブルの多さが権威ある中国国営テレビCCTVの番組で、中国全土にさらされた。
この意味では、「淘日本」も「乐酷天」も、“身元”がしっかりしたB2C。前述のようなサイトとの競争はあるものの、B2Cの評価が高まっていた流れの中での新規参入であり、タイミングとしては悪くはなかった。
最後まで注目度が上がらなかった
百度の検索サービスに、検索傾向を調べることができる「百度指数」というサービスがある。Google Trend(グーグルトレンド)と同様のサービスだ。これを使って「淘日本」や「乐酷天」を検索すると、サイトが開設され、サービスが開始された直後だけは注目を集めていた様子が見て取れる。ところがニュース発表数日後に、検索数はがくんと減り、その後はずうっと低空飛行。
百度指数が示す平時の検索指数は、淘宝网で50万、Amazonで5万、対して「淘日本」「乐酷天」のサイトはわずかに500程度。日本以上に口コミが大事な中国では、いいサイト、いいシステムならリピーターも生まれ、リピーターの口コミにより利用者が増えるが、話題も出なければニュースもなく、ネットユーザーに認識すらされていなかった状況が続いたのであった。
どうして、そろいもそろってダメだったのだろうか。
「母国で成功した日本的デザインにこだわりすぎた」「母国で成功したフットワークの重い日本式決定構造」といった、中国での日本企業の敗因としてのステレオタイプな解説は各所でなされている。