楽天・ヤフーはなぜ敗れた? 激変する中国オンラインショッピング市場

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さらに一歩進んで、独自の製品をデザインしたうえで、先日のシャープと台湾鴻海(ホンハイ)の業務・資本提携のように、生産工場の出資者となって製造をコントロールするという話も聞くようになった。

提携工場で生産し、中間業者を減らしたうえ、ショップ運営者自身やスタッフの雇用コストも中国人コストだ。買う側とすれば信頼できるところから、ほしいものが安く入手できれば、どのオンラインショップで買おうと関係ない。コストの高い日本(日本人)が運営に携わろうものなら、中国のオンラインショップには、ボランティアでもないかぎり到底勝てそうにない。

淘宝网のショップは、工場と提携している場合「厂家直銷」という言葉で安さと信頼をアピールするしかし日本の商品を中国に転売する淘宝网ショップは「箱単位でのまとめ買い」がせいぜいだ。

 ならば中国国内で変化する工場のように、鴻海と提携したシャープが液晶パネルを供給するように、中国でオンラインショップを立ち上げて四苦八苦するのではなく、直接製品販売をしたがる中国のオンラインショップ運営者と提携し、工場(メーカー)から安値で供給することも一考に値するのではなかろうか。ないしは、日本の製品を売りたがる中国のオンラインショップ運営者と、日本の工場をつなぐマッチングサービスもありえそうだ。

日本発のネットサービスでは、今のところ中国で成功したものはほとんど聞かない。が、一方で日本製品へのニーズは依然として高い。日本の企業が流通業者として中国に進出するのではなく、そこは中国企業に任せたほうがよさそうに思える。

 


■人が集まるバス停に広告を出す中国のネット通販サイト

 


山谷 剛史 やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)

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