ビッグデータの賞味期限は、あと5年しかない 情報通信革命で、ビジネスはすぐ陳腐化する

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ある企業がビッグデータを活用して経営戦略を策定し、優位に立ったことがわかれば、当然のことですが、他の企業もビッグデータを活用しようとするでしょう。

ビッグデータが普及すれば、ユーザーのうまみは減る

ビッグデータを販売する側もあくまでも商売ですから、新しい顧客が来れば、既存の顧客と競合することになろうとも、喜んで販売するわけです。つまり、ビッグデータという言葉が社会全体で一般的に知られるようになればなるほど、利用者側にとってのうまみもなくなっていくのです。

これは、何もビッグデータに限った話ではありません。どの業界でも、先行者利益というものはあります。他に参入者がいないので、価格決定権も自分で握ることができます。

しかし、次々と新規参入者が増えていったらどうなるでしょうか。これは単純に需要と供給のバランスに収れんしていきます。供給者が増えれば増えるほど、販売価格は下がっていきます。こうなると、最終的には価格競争になり、商売としてのうまみもなくなってしまうのです。

そもそも、ビッグデータ自体、IT業界で売るものがなくなったため、こじつけで生まれた面もあるのでしょう。ビッグデータというのはつまるところ、膨大なデータをどう統計で処理するか、ということにすぎません。そう考えると、別になんの新味もないことに気づきます。

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