アマゾンが狙う「クラウド世界王者」の座 スタートアップも、大企業も、公共セクターも顧客に
スタートアップからの絶大な支持
アマゾンといえば、日本でもおなじみのオンライン書店だ。現在は書店だけでなく、電化製品、食品、文房具、衣類など、日常使うものを数多く取りそろえるデパートのような存在となっている。そして、これは米国の人に話しても驚かれるのだが、オーダーがその日に届く地域もあり、独自進化を遂げている。
しかし、アマゾンにはこれとはまったく別の進化を続けている部門がある。それが、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)だ。AWSはクラウドサービスに属するが、一言でいえば従量課金のサーバー環境だ。AWSは今年で7年目となるが、このサービスの登場によって、シリコンバレーのスタートアップの方法論がまったく変わってしまった。
インターネット上でサービスを行ったり、社内で管理するシステムを作るときには、サーバーが必要になる。このサーバーを自社で買う場合、まずここでコストがかかるうえ、24時間365日動き続けるように保守管理をする必要がある。しかも、もしサービスが成長してきた際には、サーバーを増強していかなければならないが、急激な成長をした場合、そのスピードが追いつかず、サービスがダウンしてしまうことになる。
AWSは、上に述べた不安を一気に解消してくれるサービスとして、スタートアップから絶大な支持を集めた。インスタグラム、ドロップボックス、フォースクエア、タンブラー、ピンタレスト、エアビーアンドビーなどの急成長した企業は、AWSなしではありえなかったといってもいいだろう。
AWSで重視しているポイントは、以下の5つだ。
1. Performance:処理能力
2. Security:セキュリティ
3. Reliability:信頼性・安定性
4. Cost:コストのメリット
5. Scale:スケーラビリティ
当初は特にコストとスケーラビリティが支持されてきたが、AWSは今回の基調講演で、処理能力とセキュリティを強調し、より多くの企業ユーザーに信頼されるサービスであることをアピールしている。同イベントは、新しい機能や知識を学んで持ち帰ってもらうことで、自社や顧客に行動を起こしてもらうことをゴールにしているという。
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