町の賑わいを取り戻す、と言って寄付を集めてイベント型の催し物をやる市町村も後を立ちません。確かにその場は何万人、何千人か人が来るかもしれません。しかし、それが持続的に続いて黒字化していき、納税者になっていった、という話はついぞ聞きません。お祭りと同じで、一時的にわーわーやってそれをメディアが取り上げてなんかやってる、という雰囲気に浸っているだけで、なんの解決にもなっていないのです。
よく東北から東京に出かける催事なども、同様の現象です。日本を代表する百貨店の伊勢丹などに、補助金をもらって出て行って、キャッチフレーズを打って、「売れた売れた」といって帰ってくる。しかし、すべてのコスト(人件費)などを入れた結果、実際に継続的に黒字になったようなプロジェクトを見たことがありません。そしてそこを指摘すると、そこで仮に収支がとんとんあるいはマイナスであっても、「お客様が来てくれればいいんだ」と、答えるわけですね。
本物の復興とは「持続的なビジネス」に結びつけること
では、実際にそのあと伊勢丹のその催事に来ていただいたうち、どれだけのお客様が三陸に足を運び、どれだけ売り上げが増えたか(通信販売でもいいでしょう)、客単価が上がったか、などのフォローがほとんどゼロです。社長はただ、伊勢丹でやったことしかいいませんし、「東京でやってさ、20万人が来てよ、すごかったよ。でもいくら儲かったかわかんねけど、そのうちだれか来てくれるべ・・・」と言ったって、ほとんど誰も来るはずはないのです。
いくらその場でお金を費やして「賑わい」を作り出してもだめです。にぎわいは何かがあったあとに結果としてついてくるもので、さきに賑わいができたから、何が起きるわけでもありません。実際にモノを売る際に100万円以上コストをかけて伊勢丹で売れた売り上げと、一銭もかけずにグッチーポストで宣伝、販売したものでは、後者の方がはるかに売り上げが多い、というデータはいくらでもあります。うに、いくら、とうもろこし・・・・・・東京にわざわざ出ていく必要性はゼロなのです。これこそ復興を一過性のお祭りにしてはならず、持続的なビジネスとして取り上げて行かねばならない良い証拠ではないでしょうか。
そして、くどいようですが、この震災復興に使われているお金はみなさまの税金です。復興税と称して徴収され、こうして人口増加を前提としたハコモノ行政にふんだんに使われています。もうかるのは建設関係の会社だけ、というこの現実こそ、3月11日の週に見つめなおすべき現実ではないでしょうか(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が、週末の人気レースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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