「売りまくる営業」はプロセス重視という共通点 トップ営業マンは場当たり的にならない
北川景子さん主演のドラマ「家売るオンナの逆襲」の視聴率が好調だったようです。北川さん演じる不動産屋の「スーパー営業ウーマン」(公式サイトより)が次々と商談を成立させていく活躍ぶりに爽快感をおぼえる視聴者が多いということでしょう。会社勤めをしている方ならば、「ウチにもあんな営業がいれば」などと思ったこともあるかもしれません。
その仕事ぶりには感心させられるものの、長年、営業に携わってきた私としては、北川さん演じる三軒家万智を「スーパー営業ウーマン」としていいかどうかは、ちょっと迷うところです。といっても、ひっかかるのは「スーパー」ではなく「営業」の部分です。どちらかといえば、北川さんの仕事は「販売」に近いような気がするのです。
販売と営業は別の仕事
世の中では混同されがちなのですが、販売と営業は別の仕事です。新著『「場当たり的」が会社を潰す』 では、似て非なる両者の違いについて「トップ販売員」と「トップ営業マン」の生態から解説をしました。
シンプルに分ければ「訪ねてきたお客様にセールスを行う」のが販売員で、「自ら顧客を開拓し、セールスを行う」のが営業マンです。それぞれのトップクラスの人間がどのような生態を持っているか、以下、ご説明してみましょう。
前者でいちばんイメージしやすいのは、アパレルショップの店員さんのようなお仕事でしょうか。お客様のほうからやって来る、といってもそれでモノが売れるほど楽な話は転がっていません。トップ販売員は、次のように目を配り、考え、動きます。
まずお客様が来店したときに、店に入ってくる速度、身なり、お連れ様のあるなしなどから、購買意欲と購買可能性を一瞬で判断します。「いける」と判断すると、次のステップとして観察の対象として捉えるようになります。逆に「厳しい」と判断すると自身の忙しさ次第ではそのお客様を放置することもあります。