「売りまくる営業」はプロセス重視という共通点 トップ営業マンは場当たり的にならない

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こうして2回目の訪問時に提案をするための要素を聞きだし、提案時には顧客の期待を超える提案をして、さらに次の段階を目指します。

トップ営業マンの頭の中には、こうした正しいプロセスが入っています。というのも、そのプロセスを踏まないと、契約に至らないことが多いからです。実務をやったことがある方はピンとこられるでしょうが、たとえ目の前の相手が「その提案、いいね」といっても、そこまでで終わるケースは珍しくありません。

担当者の「いいね」どまりになる人

「私はいいと思ったのですが、上がウンと言ってくれなくて……今回はゴメン」

こんな感じで土壇場で破談に終わる。往々にして「詰めが甘い」と言われる営業マンは、担当者の「いいね」どまりになる人です。

優秀な営業マンは「いいね」をもらった後、成立するまでのプロセスで手を抜きません。目的に向かって自分や顧客の集中力を切らさないようにします。いつの間にか、顧客と同じゴールを目指す構図を作ってしまうのです。

「一緒に、問題を解決しましょう」。そんな気持ちを共有できれば、話は前向きに進みやすいのです。

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著書ではこの「トップ営業マン」の思考法をかなり細かく解説しました。こうした思考法が「場当たり的」にならず、計画的かつ戦略的に物事を考える力につながる、と考えたからです。

多くの会社が「場当たり的」になってしまうのはなぜか。この問題を考えたときに、プロセスの重要性に改めて気づかされました。どんなにアイデアレベルではすばらしいものであっても、ゴール(プロジェクトの成功、成約)に至るには数多くのプロセスが必要となります。

その点を肝に銘じて、集中力を欠かさないようにしないと、せっかくの戦略も絵に描いたモチになるのです。

仕事ができる人はプロセスを重視し、最後まで気を抜きません。営業か販売かはさておき、顧客の要望を正確に捉え、成約に至らせている三軒家万智の手腕がすばらしいのは言うまでもないでしょう。

北澤 孝太郎 レジェンダ・コーポレーション取締役/東京工業大学特任教授
きたざわ こうたろう / Kotaro Kitazawa

1962年京都市生まれ。1985年神戸大学経営学部卒業後、株式会社リクルート入社。2005年日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)に転身。執行役員法人営業本部長、音声事業本部長などを歴任。2015年4月より、兼任で東京工業大学 大学院理工学研究科の特任教授として、MBA科目の「営業戦略・組織」を担当。著作に、ベストセラーとなった『営業部はバカなのか』(新潮新書)やMBAクラス教科書の『優れた営業リーダーの教科書』(東洋経済新報社)などがある。

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