出生前診断で「判明」、それでも私が産んだ理由

ダウン症児を授かった親たちの告白

一方、「正解だったかどうかはわかりません」と、今年3歳になる樹生くんを抱きながら、今でも悩み続けている金井めぐみさん(47歳、仮名)の話を聞いた。

「私たち夫婦は数年間、不妊治療をしていました。44歳のとき、長年に及ぶ治療の末に授かったのが樹生だったんです。12週目の健診日の出来事です。その日はやけに先生が長くエコーをするので、どうしてだろうと不思議に思っていたら、先生に首にむくみがあり、染色体異常の可能性がありますと唐突に告げられました。

染色体異常といわれ、ダウン症しかイメージがない私は『ダウン症ですか?』と先生に質問をすると、先生は『ダウン症であればまだましです。もっと重篤な染色体異常もあります』と私を諭すように言いました。

最初は『まさか私が』って感じで、実感が湧きませんでした。その後、先生に確定診断のために出生前診断を勧められ、何も考えず、というか考える余裕がなく、受けることになりました。当初はリスクが少ない新型出生前診断をしようと思っていたのですが、できる病院も限られ、時間的にも厳しいので羊水検査を受けることになりました」

現在の日本の法律では、22週以降の中絶は基本認められていない。新型出生前診断は血液検査で行い、羊水検査に比べると流産のリスクもなく、急速に日本で広まりつつある。しかしめぐみさんが検査を望んだ当時は、臨床研究段階であり、限られた病院でないと行うことはできなかったのだ。

めぐみさんは妊娠17週で羊水検査を受けることを決意する。その結果は約1週間後の18週、結果は陽性だった。

「なんでっていう感じでしたよね。ショックでも悲しいわけでもない。どうしていけばいいか、どうすればいいかということが頭をよぎりました」

当時、妊娠継続するか悩んでいためぐみさんは医者に「今まで陽性で中絶を選択しなかった人はいません。もし、継続されるのであればここでは面倒見られません」と突き放すように言われたという。

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