鶏居酒屋「てけてけ」は鳥貴族と何が違うのか 首都圏で80店超展開、4年で売上高は倍以上に

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一方、潮目も変わりつつある。業界を牽引してきた鳥貴族は客数減が止まらず、3月8日、2019年7月期が2014年の上場来初の最終赤字となる見通しであることを発表した。集客力が低下したことに対し、鳥貴族の大倉忠司社長は昨秋行った東洋経済のインタビューに対し、「客数減の要因は値上げだけでなく、出店ペースが速すぎたことによる自社競合も大きい」と語っている。

鳥貴族に比べれば規模の小さなてけてけだが、実は似たような問題を抱えている。

「てけてけ」は現在、83店舗を展開。うち24店舗は2019年2月期のみで出店している。てけてけのターゲットは、都心のビジネスパーソン層。JR山手線内側のオフィス街周辺に戦略的に集中してきた。だが、そうした立地での出店余地は限られてきている。既存店舗の周辺に新店を出すことも増え、「お客を自社の店舗同士で奪い合う“カニバリ”状態が目立つようになってきた」(U&C管理本部長の本郷雄太氏)。

郊外での出店にも挑戦しているものの、来客層の違いなどで伸び悩む。また、東京を飛び出し大阪・梅田のオフィス街にも初出店を果たしたが、「現地の不動産屋とのつながりも薄く、都内に比べてノウハウも少ない」(本郷氏)など、東京都心部以外での出店はまだハードルは高いようだ。

「第2の柱」を早くも模索

鳥貴族が単一業態を貫く一方、U&Cは主力業態を拡大するさなかにあって、早くもてけてけに次ぐ“第2の柱”を模索し始めている。

2018年の11月には新宿・歌舞伎町に、ファストフード店のように客が自らカウンターにドリンクや料理を取りにいくシステムの新業態「やきとり魁」を出店した。だが売り上げが思うように伸びず、わずか3カ月で閉店することに。当初目標にしていた「2019年中に20出店」という方針も白紙撤回された。

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