再エネ比率20%には風力の大型開発が必要 経産省の村上敬亮・新エネルギー対策課長に聞く(下)

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――11月に福島県沖で、浮体式洋上風力発電の実証実験の運転(2メガワット)が始まった。

浮体式洋上風力が1.5年で完成したのは専門家も驚愕するすごいことだ。チェーンや海中ライザーケーブル、変圧器など世界最高技術のオンパレード で、日本のエンジニアリング技術の高さを示している(注:チェーンは姫路の濱中製鎖工業が製造、海中ライザーケーブルは古河電気工業が製造)。来年には7メガワットの風車が増設される。

日本に足りないのは10年先をコミットする力だ。浮体式洋上風力などはまさに10年先の商用化を目指すもの。それができる世界最高の技術力が日本にはあるのだから、あとはそれをいかに活用していくかだ。

全電源平均に代わり得る指標は検討していく

――電力会社による再エネ電力の買い取り費用は、「賦課金」として電気料金に上乗せされているが、それが過大ではないかとの議論がある。電力会社がその分削減できる自社の発電コストである「回避可能費用」を差し引くことになっているが、これが低く見積もられているのではないかと。

回避可能費用について、そうした意見があるのは承知している。最大の問題は(費用を)測れないということだ。

ただ、一部に、回避可能費用を計算する単価として、現行制度の全電源平均単価を使うのではなく、石油火力の単価を使うべきとの議論があるが、電力会社の実際の運用として、石油火力だけ止めるということはやっていない。

普通、太陽光や風力を入れたときにまず調整されるのは、可変速の水力発電。その次が天然ガス火力で、石油火力はその次くらいだ。高いコストのものから止めるというのは机上の空論だ。ただ、再エネを入れたときに、実際に何をどう止めたかを正確に測ることもできない。それで、電力料金の認定で変動費の原価といわれている数字を使っている。それが全電源平均ということだ。

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