原子力規制委の“孤立”に世界は驚愕している

塩崎恭久・自民党原子力規制に関するPT座長に聞く

原子力の安全規制を担う独立性の高い「3条委員会」として2012年9月に発足した原子力規制委員会。だが、規制委は「独立」の意味をはき違え、「孤立」に陥っている――自由民主党の原子力規制に関するプロジェクトチーム(PT)は12月3日、そうした実態を厳しく指摘し改善を求める緊急提言をまとめた。
 これに対し、規制委の田中俊一委員長は定例会見で、「規制委の判断に対するいろんな意見は相当慎重に対応すべき」「原発の審査段階で説明するのは難しい」「国会会期中は週に2、3回呼ばれて質問攻めにあっている」「毎週、記者会見に臨んでいる」などと反論している。
 今回の緊急提言をまとめたPTの座長を務め、規制委の設置法制定から原子力規制に深くかかわってきた塩崎恭久・自民党政調会長代理に「孤立」の根拠などについて聞いた。

コミュニケーションチャネルが極細

――原子力規制委員会はやはり「独立」ではなく「孤立」しているのか。

緊急提言の中でいろいろな意見があると書いたが、海外からも各方面から同様の指摘を受けている。

たとえば、東京電力の廣瀬直己社長、つまり現在、世界の不安の元である福島第一原子力発電所を持つ会社の社長に、原子力規制委員長は今年10月28日になって初めて委員会以外の非公式の場で、それも衆人環視の下で会った。このことに対し、海外の規制当局者はみな驚愕の声を上げている。なぜあれだけの事故を起こした原発を持っている会社のトップと規制委員長が、まったく腹を割ったコミュニケーションをしないでここまで来てしまったのか、信じられないと言っている。これは、規制委のアドバイザーをしている3カ国の元規制当局トップ全員の共通認識でもある。

そのくらい規制委のコミュニケーションチャネルは極細(ごくぼそ)だ。これを孤立と言わず、何と言おうか。

次ページ米国規制当局の「良い規制の原則」とのギャップ
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 財新
  • 今見るべきネット配信番組
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT