「ファスナー開いてるよ」と女性に言える上司力 シェリル・サンドバーグが私を変えた2分間
シェリル・サンドバーグの神対応
わたしがグーグルに入ってまもなく、CEOと創業者たちの前でアドセンスの業績を報告することになった。アドセンスは絶好調だったし、上司のシェリル・サンドバーグが横に座って支えてくれていたのに、わたしは不安だった。
幸い、今回はいい報告ができた。業績はかつてないほど伸びていた。会議室を見回すと、CEOのエリック・シュミットとちょうど目が合った。わたしが先月獲得した新規顧客の数を口にしたとき、彼がハッとしたようにコンピューターから目を上げたのだ。CEOの目をメールから逸らすことができた。それだけでも大成功だ!
「いま、何社って言った?」。シュミットが尋ねる。わたしがその数を繰り返すと、彼はいすから転げ落ちそうになった。思ってもないほどの好反応だった。プレゼンを終えたわたしは、大成功に気分が高揚し、ほっとしてもいた。
シェリルが会議室の入り口でわたしを待っていた。ハイタッチでも交わしてくれるのかと内心期待した。でも、彼女はオフィスまで一緒に戻りましょうと言う。胃のあたりが縮こまった。わたしが何かやらかした? でも何だろう?
「あなた、きっとこれからグーグルで大活躍するわ」。シェリルが切り出した。「自分の意見を客観的に見ることができるし、反対意見にも冷静に応える力がある。だからあのプレゼンはすごく信頼できた」。彼女はわたしが言ったことを3つか4つ具体的に挙げて、その点を褒めてくれた。シェリルは話をやめてわたしの目を見た。その様子から、本気でそう言っていることが伝わった。
しかし、胸のあたりにまだもやもやとしたものがつっかえていた。今にも斧が振り下ろされそうな予感があった。自分が何をやらかしてしまったのか、それが知りたかった。
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