全米を欺いた「36歳黒人俳優」のヒドい自作自演 ジャシー・スモレットの非常識すぎる大ウソ

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彼に優しい言葉をかけていた人権支援団体も、一斉に彼を非難し始めた。

ロサンゼルスの市民権アクティビスト、ナジー・アリは、「私たちのメンバーには、ヘイトクライムの被害を受けた黒人、LGBTの人々が多数います。スモレットがついているうそは、本当の被害者たちのためになりません。そして、私たちは、スモレットがうそをついていると信じます。私たちは最初、多少、疑うところはあっても、スモレットを信じてあげました。しかし、この数日でそれがうそだったことが明らかになりました。彼は処罰を受けるべきです」と述べた。

ハリウッドではすでに、なぜ彼がそんなことをやったのかについて、推測が飛び交い始めている。

知名度がほしかっただけ?

中には「ただ知名度がほしかっただけでしょう」「同情してほしかったのでは」という意見がよく見られるが、注目されるのは、フォックスが「Empire 成功の代償」から彼の演じるキャラクターを消そうとしていたという説。

5シーズンも続くドラマでは、主要キャラクターが死んだり、姿を消したりするのはよくあること。知名度の低い俳優にとってテレビドラマは大事な飯の種なので、スモレットはそれを守るためにヘイトクライムの被害者になって、フォックスが彼を消すわけにはいかない状況を作ろうとしたのではないかというのだ。

フォックス側は「彼を消す予定はまったくなかった」と、この説を否定している。しかし、自作自演がバレてしまったあとでは、スモレットは確実に番組から消されてしまうだろう。うそつき男が出るドラマなど、誰も見たくないに決まっている。もちろん、広告主もつかない。

この後、まだまだ驚きの詳細情報が出てくるかもしれず、裁判になればこれまた大注目となることだろう。それは最近、視聴率がぱっとしなくなっていた「Empire 成功の代償」に、思わぬ宣伝効果をもたらすことになるかもしれない。だが、その仕掛け人は、おそらく、その時にはもう撮影現場にいない。

猿渡 由紀 L.A.在住映画ジャーナリスト

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さるわたり ゆき / Yuki Saruwatari

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒業。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場リポート記事、ハリウッド事情のコラムを、『シュプール』『ハーパース バザー日本版』『バイラ』『週刊SPA!』『Movie ぴあ』『キネマ旬報』のほか、雑誌や新聞、Yahoo、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。
X:@yukisaruwatari
 

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