パラアスリートが学ぶ「話し方教育」好評の理由 パラメッセンジャーの育成プログラムとは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

自分は話をするのが得意と思っても、世間が聞きたいと思っているニーズと少し違う、ということがないように「パラアスリートの経験」と「世間のニーズ」、そして「誰もが活躍できる社会の実現に向けて人々が気づき、行動できるようにするというメッセージ」の「3つの輪がうまく重なり合うような」(海老原氏)テーマで講演するスキルを身につけるプログラムだという。なので、パラアスリートに特化している。

パラサポでは100人のパラスポーツメッセンジャー育成を目標とし、1年強で32人(2019年2月15日現在)が基礎認定のプログラムを修了した。さらにA、S級と上位の認定もしていく。

話し方で伝わり方が変わる

修了にあたっての、受講者向け特別セミナーを筆者も体験してきた。講師はフリーアナウンサーの平井理央さん。「話し方で伝わり方が変わる」がテーマで、個性を伸ばすことの大切さを説き、人に届く声を出したり、活舌をよくするためのトレーニング法を伝授した。

パラスポーツメッセンジャーの特別セミナー。講師は平井理央さん(筆者撮影)

受講生の1人でアーチェリーのトップ選手、上山(うえやま)友裕選手の話を聞いた。

「リオデジャネイロパラリンピック以降、中学、高校からの講演依頼が増えてきました。ただ、子どもたちには響いても、保護者には響いていないと感じることもありました。

年齢層によって響くものが違う。企業で講演した際に、寝ている人がいてショックでした。大人にも響くようにできないかと思った」と言う。

パラリンピックのアーチェリーは、使用する弓によって違い、オリンピックでも使用される一般的なリカーブと、先端に滑車のついてより小さな力で引けるコンパウンドの2種類がある。障がいの種類や程度に応じて「W1(四肢の障がい・車いすを使用)」「W2(下半身のまひなど・車いすを使用)」「ST(立位、もしくはいすに座って競技をする)」の3つのクラスがある。

男女3種目(リカーブ、コンパウンド、W1)とチーム戦(リカーブ、コンパウンド、W1の男女ペア)でメダルを争い、障がいの種類や程度に応じて用具を工夫することも認められている。

次ページ自分の当たり前は、実はすごいことでもある
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事