日本人がおよそ知らないアメリカ人の「頭の中」 多くが理性と現実を手放す中で残る希望と光

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アメリカ人は、ほかの先進国に暮らす10億〜20億の人々よりもはるかに強く、超自然現象や奇跡、この世における悪魔の存在を信じている。最近天国に行ったとか、天国から戻ってきたという話や、数千年前に生命が一瞬にして創造されたという数千年前の物語を心から信じている。
21世紀が始まるころには、わが国の金融産業が、危険な負債がもはや危険ではないという夢想に陥った。また、何千万ものアメリカ国民が、不動産の価値は上昇していくばかりだという幻想を植えつけられ、誰でも富裕層のような暮らしができるという空想に耽った。
私たちアメリカ人はさらに、政府や政府に共謀する者たちが、あらゆる類の恐るべき真実をひた隠しにしていると思い込んでいる。たとえば、暗殺、地球外生物、エイズの起源、9・11、ワクチンの危険性にまつわる真実などだ。(上巻5~6ページより)

天使や悪魔がいることを本気で信じている人たち

過去20年間に行われた膨大な量の調査からデータを精査・照合・抽出していくと、アメリカ人の思い込みや信じやすさ、妄想に関する有益な情報が浮かび上がってくるのだそうだ。

著者の調査によれば、多少なりとも現実に基づいた判断をしているという人は少数派であり、おそらく国民の3分の1程度。車や工場から排出される二酸化炭素が地球温暖化の原因だと信じているのは、国民の3分の1だけ。『創世記』の天地創造の物語は事実に基づいていないと確信している人も、テレパシーや幽霊を信じていない人も、やはり3分の1のみだというのである。

では、残りの3分の2はどんな人たちなのだろう?

アメリカ人の3分の2は、「天使や悪魔がこの世界で活躍している」と信じている。少なくとも半数は、人格を持った神(よくわからない力や普遍的精神ではなく、一人の人間のような神)が支配する天国が存在すると、絶対的に信じている。3分の1以上が、地球温暖化は大した問題ではなく、科学者や政府やマスコミが共謀して作り上げたたわ言だと思っている。
また、3分の1のアメリカ人がこう思い込んでいる。「私たちの最初期の祖先も、現在の人間のような人間だった」「政府は製薬会社と結託し、がんが自然治癒する証拠を隠蔽している」「地球外生物が最近地球を訪れてきたことがある(あるいは現在地球に住んでいる)」。
さらに、4分の1のアメリカ人がこう信じている。「ワクチンを接種すると自閉症になる」「2016年の大統領選挙では、得票数でもドナルド・トランプが勝利した」「オバマ前大統領は反キリストだった」「魔女は存在する」。驚くべきことに、聖書は主に伝説や寓話で構成されていると思っているアメリカ人は、5人に一人しかいない。その一方で、「政府やメディアは、テレビ放送を通じてマインドコントロール用の電波を送っている」「9・11にはアメリカ当局が関与していた」と考えている人も、ほぼ同数いる。(上巻7〜8ページより)
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