JR東海とJR北海道を分析する

鉄道会社のトラブルは、厳しい経営環境が原因?

さらに同社は、2014年度にリニア中央新幹線の着工を目指しています。2027年の完成予定です。ただ、同社が政府に対して、リニアの建設に必要な土地などの取得にかかる税金を非課税にするなどの優遇措置を要請している点で、議論が巻き起こっていることに注意が必要です。

一部からは、「JR東海は非常に業績がいいのに、なぜ政府が援助しなければならないのか」「私鉄各社には路線を新しく建設する際に税の免除をしなかったのに、なぜJR東海だけ優遇措置を行うのか」などという反対意見も出ているのです。ただ、リニア設置は10兆円近い費用を要するとともに、新幹線がそうであったように、日本経済の将来をも左右しかねない国家的プロジェクトでもあるので、そのあたりのことを考慮する必要もあると私は考えています。いくら高収益企業とはいえ、売上高が1兆6000億円程度の企業にとって、10兆円という規模は非常に大きいと言えるからです。

業績の先行きを見極めるためには、同社の決算内容だけでなく、リニア建設に対する政府の対応にも注意することが大切です。

「経営安定基金」という名の補助金に支えられるJR北海道

次に、JR北海道の平成25(2013)年3月期の財務内容を分析していきます。冒頭でも触れましたように、同社では今年に入ってから度重なる出火・発煙事故や、9月に起こった貨物列車の脱線事故などによって、管理体制が厳しく問われています。「経営が厳しいから、メンテナンスに回すおカネがないのだ」といった話を耳にしますが、本当に安全管理が難しいほど業績は悪化しているのでしょうか。

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