ゼロクーポン債+米国株で最強の資産構築を 松本大が団塊ジュニアに勧める、とっておきの投資術(2)

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まず(1)の方法だと、日本株と同様に円建てで取引できますから、為替取引を行わずに済むという利便性の良さがあります。

しかし、とにかく上場されている銘柄数が少ないことに加え、日々の取引高が非常に少ないという問題があります。特に取引高が少ないと、自分が買いたいと思った時に買えず、売りたいと思った時に売れなくなるリスクを抱え込むことになります。

次に(2)の投資信託を買うという方法ですが、投資信託は複数銘柄に分散しているため、企業を選んで投資する楽しみは半減します。かつ、純資産残高の少ない投資信託が多く、長期投資したくても、途中で償還されてしまうリスクがあります。

(3)の場合はどうでしょうか。たとえば「スターバックスコーヒージャパン」や「日本オラクル」、「日本マクドナルドホールディングス」が代表的なところですが、いずれも日本法人であり、米国企業そのものに投資しているわけではありません。日本企業の株式と全く同じように取引できますが、米国企業とは似て非なるものと考えた方が良いでしょう。

実際、米国の「スターバックス・コーポレーション」と、その日本法人である「スターバックスコーヒージャパン」の株価を比較すると、2008年9月1日から2013年9月1日までの5年間で、前者の株価は5倍以上になったのに対し、後者の上昇は2.5倍にとどまりました。

米国株式に投資するなら、やはり米国の株式市場に直接、注文を出した方が、投資できる銘柄数も多く、かつ株主を大事にするという米国の株式市場ならではの特性を活かして、長期的な財産形成につながる可能性が高まります。

インフレリスク、円安リスクへのガードを固めよ!

アベノミクスは、2015年までに消費者物価指数を年2%のレベルで上昇することを目指しています。つまり緩やかなインフレを醸成していこうというのです。年2%の物価上昇が続いたら、今後10年で現在よりも20%、モノの値段が上がることになります。もし、このような環境の下、自分の資産を現金のみで保有していたら、資産価値は20%目減りすることになります。現金や預金は、デフレ経済には強いのですが、インフレ経済には弱い資産なのです。

したがってインフレが進むなかでは、インフレに強い資産を持たねばなりません。その代表格が不動産と株式です。

しかし、日本の不動産には構造的な問題があります。今後、人口が減少していくなかで、住宅やオフィスビル、商業施設などの需要は落ち込んでいく恐れがあります。また日本の株式市場も、人口が減少すれば経済力そのものが落ち込んでいきますから、どこまでインフレリスクをヘッジできるのか、いささか不安な側面があります。

この点、ほぼ確実に進むと思われるのが円安です。インフレというのは、モノの値段に対してお金の価値が目減りしていくことを意味しますから、日本の通貨価値が下落する、つまり円安が進むことになります。

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