ゼロクーポン債+米国株で最強の資産構築を 松本大が団塊ジュニアに勧める、とっておきの投資術(2)
円安が進めば、海外から輸入されている資源・エネルギー、食糧などの円建て価格が上昇します。結果、さらに国内物価の上昇スピードに加速が付く可能性があります。
こうしたなかで、自分の資産を守るためには、外貨建て資産を保有するのが一番、手っ取り早い方法になります。外貨建て資産なら、円安によって為替差益が発生しますから、インフレが進んだとしても、為替差益によって通貨価値が目減りするリスクをヘッジできるのです。米国株式への投資は、まさに米ドル建ての資産を持つのと同じですから、インフレリスクや円安リスクのガードとして有効なのです。
値下がりリスクをヘッジ、ゼロクーポン債との合わせ技も
米国株式が長期的にみて高値更新を続けてきたといっても、当然、大きく値下がりするケースがあります。そのリスクを軽減させたいという場合に有効なのが、ゼロクーポン債と組み合わせた米国株式への投資です。
ゼロクーポン債というのは、金利が付かない代わりに、額面よりも安い価格で購入できる債券のことです。たとえば、
● 償還までの期間=10年
● 最終利回り=4%
このようなゼロクーポン債があるとしましょう。このゼロクーポン債の購入価格は、額面100ドルに対して67ドル50セントになります。これが10年後には100ドルになって戻ってきますから、32ドル50セントが、この債券に投資することで得られる収益になります。
そこで、この32ドル50セントを用いて株式に投資します。米国のゼロクーポン債は、額面1000ドルからの買付になりますので、この条件だと325ドル分の米国株式に投資できることになります。
この方法のメリットは、もし投資した米国株式の発行企業が倒産し、株式がただの紙切れになったとしても、このゼロクーポン債が償還を迎えるまで保有し続ければ、額面で元本が戻ってくるので、株式投資の損失分をカバーすることができるところにあります。
このアイデアで自分年金を作ってみてはどうでしょうか。
米国のゼロクーポン債には、償還までの期間が30年というように、非常に長い期間のものがあります。したがって今、30歳の人がこの戦略を用いて米国株式に投資すれば、30年後に一財産を築ける可能性が出てきます。しかも、30年という期間であれば、その分、安い債券価格で購入できますから、より多くの資金を米国株式への投資に振り向けられることになります。そのうえ、米国企業は全般的に配当利回りが高いので、このポートフォリオを保有し続けている間、安定的に高い配当金を受けられることになります。
もし、1ドル=100円の時に、この方法で投資したとしましょう。もし、30年後の為替レートが1ドル=200円だったら、受け取れる円建ての資金は倍になります。
この方法で考えられる唯一のリスクは、米国がデフォルトしてしまうことですが、経済力などさまざまな面で世界一の実力を持つ国が、今後30年でデフォルトに陥るリスクは、極めて小さいと考えます。
米国株式を活用した長期投資を、今こそ真剣に考えてみるべきではないでしょうか。
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